「3大買わない理由」を乗り越える手段として
――ロボスマは、継続利用意向率が98%と、サービスへの満足度が非常に高いと聞いています。
アイロボットジャパンには、「ルンバ・パラドックス」という社内用語があります。これは、ルンバを使う前と後では世界が変わる。一度使ってしまうと、もうルンバのない生活には戻れないし想像できない、とお客様が口を揃えておっしゃることから生まれた言葉です。実際に、返品率は我々の想定以上に低く、「一度使っていただけば、きっと良さが伝わるはず」という我々の狙いも的中しました。
そこで、サービスを開始してから約2年経った2021年6月に、よりリッチなサービスを目指したアップデートを行いました。具体的には、「おためし2週間」の金額を一律1,980円にし、すべての対象モデルを気軽にご利用いただけるようにしました。

また、お客様へ定期的に実施しているアンケート調査の結果を見ると、「おためし期間終了後、製品を一度返品することなく、そのまま使い続けられるとよかった」というご意見が多数あったので、お試し期間終了後、手元にある製品をそのままご使用いただけるようサービスご利用の流れも改善しました。
――ここまで、ロボスマではどのようなマーケティングを展開されてきたのですか?
「価格が高いから」「自分で掃除をしたいから」「ロボット掃除機は自分の家では使えないかもしれないから」。この“3大買わない理由”を乗り越えるのが、ルンバにおけるマーケティングの最大の目的です。あくまで、そのためのひとつの手段がサブスクリプションのサービスであるという位置づけになっています。
サブスクリプションに限らずマーケティングコミュニケーション全体としては、「ロボット掃除機のある生活が、いかに豊かであるか」をお客様にお伝えすることを重要視してきました。ですので、マーケティングにおける最重要事項は、「お客様にロボット掃除機の良さが伝わったかどうか」です。その上で、サブスクリプションサービスの場合は、いかに効率よくCVまで誘導できたか、を見ています。