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「デジタルコンテンツに携わる全員がNFTに関わることになる」 その真意とクリエイターに必要なNFTの勘所とは

デジタルコンテンツに関わるすべての人がNFTを知っておくべき理由

――Web2からWeb3へと時代が移り変わることで、クリエイターにはどのような変化があるのでしょうか。

先ほど触れたように、ブロックチェーンによって価値が担保されるため、取引がしやすくなることが1点。もうひとつ大きなポイントは、価値が担保されることで、時間とともにその価値が積みあがっていくことです。私たちも2018年5月に制作したブロックチェーンゲーム「CryptoCrystal」のNFTが、3年後に価値が何百倍にも増した経験があります。これまでは時間を置くほど価値がうまれるデジタルコンテンツは少なかったですが、Web3の登場によって、リアルの世界と同様、クリエイターやコンテンツの現在価値が高まると、古いものでもビンテージの価値がつくようになってきました。

Mintoが開発した「CryptoCrystal」(出典:note)
Mintoが開発した「CryptoCrystal」(出典:note

さらに、NFTはブロックチェーンで証明されているため、認証キーや会員証として使うこともできるため、ユーザーからIDやパスワードを預からなくてもログイン・認証することが可能です。

このように、取引しやすくなること、過去のデータにも価値がつくこと、かつ会員権としての機能もつくといった価値のすべてを持つことができるため、NFTによってデジタルコンテンツ自体がアップグレードしているんです。

そのためこれからは、デジタルコンテンツに携わる人なら誰しもがNFTに関わることになると思います。NFTというと個人のクリエイターやアニメーター向けの印象が強いと思いますが、インハウスであるか個人であるかはあまり関係ありません。アップグレードしたデジタルコンテンツの特徴を理解した上で「これをどのように使うか」と発想していくと、おもしろいのではないでしょうか。

――では、クリエイターがNFTと関わるうえで大切なことは何でしょうか。

NFTはブロックチェーンの上に成り立っているので、ブロックチェーンの仕組みを理解する必要があります。

ブロックチェーンには「パブリック」と「プライベート」の2種類があります。パブリック・ブロックチェーンは世界中のサーバにデータベースが分散しているもので管理者は不在です。プライベート・ブロックチェーンは少数の企業や人が分散してデータベースを管理しているものを指し、コンソーシアム型と呼ぶこともあります。

パブリックは分散管理者へ参加する方が手数料を支払う必要があり、そのコストがかかります。たとえばパブリック・ブロックチェーンの代表格であるイーサリアムは、ガス代(手数料)が数千円(時価)と高い。一方プライベート・チェーンは比較的コストがかからず、その点では優れています。ただブロックチェーン本来の価値は広く分散することでその唯一性を担保することにあるので、その点ではパブリックより劣りますね。

クリエイターにオススメするならば、 パブリック・ブロックチェーンの代表格のイーサリアムになりますが、ユーザーのコストがあがり、購入のハードルが上がってしまう側面もある。そういった意味でプライベート・ブロックチェーンによるNFTは、ユーザーにとっての利便性が高いため、まずNFTを知ってもらうという観点で選択肢に入れておくのもありだと思います。

ただ、その運営企業が信頼に足るかどうか見極める必要はあるでしょう。それ自体で信頼性を担保できるのがブロックチェーンなので、これはブロックチェーン全体の課題でもあるのですが……。今は技術革新の狭間で仕組みがつくられているタイミング。ユーザーの利便性を優先してプライベート・チェーンにしている企業も多いですが、今後はパブリック化していくかもしれません。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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MarkeZine(マーケジン)
2022/05/18 10:00 https://markezine.jp/article/detail/39008

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