2025年、話題になった海外トレンドの特徴とは?
トレンドは、日本独自で発生するものと、海外で流行し、日本にまで広まるものと2つのパターンがあります。日本独自のトレンドは、"平成懐古"や"日本の職場あるある"といったその国ならではの特徴を取り入れた「共感性」がポイントとなることが多いです。では、海外で流行り、日本にまで広まるものは一体どのようなポイントが重要になるのでしょうか。特に2025年に流行した海外発のトレンド事例3つをご紹介し、その共通項を探ります。
事例1:Labubu ―ブラインドボックス型マスコットの偶然性が生む熱狂
まずご紹介するのは、中身がランダムで出てくるブラインドボックス形式のぬいぐるみ型キーホルダー「Labubu(ラブブ)」です。K-POPアイドルがInstagramに投稿したことから始まり、その後TikTokの開封動画が世界的に拡散され、話題を呼びました。偶然性とコレクション欲求がSNS動画との親和性も高く、熱狂的なコミュニティを形成したと考えられます。また、「セレブリティ発信×レアアイテム」が相乗し、一般層の購買欲を掻き立て、注目のトレンドアイテムとなりました。
この事例では、特に『ノリ』と『非言語の拡散力』が重要な役割を果たしたことがわかります。中身がわからないワクワク感という“ノリ”が開封動画の面白さを生み、言葉を介さずに伝わるキャラクターのかわいさや開封のライブ感という“非言語”の体験が、国境を超えて拡散の輪を広げたと考えます。
事例2:Italian Brainrot ― 意味不明を楽しむAIミーム
2025年上半期、TikTokを中心に流行した「イタリアン・ブレインロット」ミームは、AIが生んだ奇妙なキャラクターと意味を持たない「イタリア語っぽい」フレーズを組み合わせたもの。“わからなさ”そのものを楽しむノリが拡散を後押しし、キャラクターの名前をいかに「イタリア語っぽく」言えるかのチャレンジや、そのキャラクター風のコーディネート紹介など、派生した動画も増加しました。
AI×非言語によって文化や言語を超えた二次創作が活性化し拡散につながったと考えられます。また、日本独自のキャラクター生成にまで派生し、「ダジャレ」をベースに作られた「ジャパニーズブレインロット」も登場し、国内でさらなる拡散も見られました。
この事例から、特に『ノリ』と『非言語の拡散力』、そして『再構築』が重要な役割を果たしたことがわかります。「わからなさ」を楽しむ“ノリ”がミームの核心であり、意味を持たない奇妙な映像と音声という“非言語”が文化や言語の壁を軽々と越えました。そして、このミームを日本のユーザーが観察し、日本独自の文脈に合わせて再解釈・再創作することで、さらなる拡散を生み出しました。
