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キャリアカレッジジャパンが行う、データを掛け合わせたLINE公式アカウントの活用法とは

 通信教育講座を提供するキャリアカレッジジャパンは、2018年にプラスアルファ・コンサルティングが提供する顧客実感型マーケティングプラットフォームのカスタマーリングスを導入し、メールマーケティングを自動化。さらにLINE公式アカウントを開設し、お客様データを活用した訴求で認知拡大や申し込み増加の成果を上げている。本記事では、キャリアカレッジジャパンとプラスアルファ・コンサルティングの担当者4名に、データを活用したLINE施策のポイントを聞いた。

社会人の学びと夢の実現を支援するキャリアカレッジジャパン

──自己紹介をお願いします。

上岡:キャリアカレッジジャパンの上岡です。弊社は、「資格のキャリカレ」で社会人向けの通信教育講座を提供し、資格取得の学習から就職・転職・開業のサポートまで携わっています。Webマーケティングの他、カタログ、パンフレットなどの制作、テレビCMなど、弊社のマーケティング活動全般を統括しています。

資格のキャリカレ
資格のキャリカレ

隣:キャリアカレッジジャパンの隣です。私は、新規のお客様をターゲットにWeb広告やLINE公式アカウントの運用、メルマガ配信などを担当しています。

山崎:プラスアルファ・コンサルティングの山崎です。弊社は、ビッグデータを活用しお客様のビジネス成長を支援するソリューションを提供しています。中でも私は、CDPやBI、MAの機能を実装した顧客実感型マーケティングプラットフォームのカスタマーリングスの事業責任者を務めています。

日野:私は、カスタマーリングスのカスタマーサクセスとして、サービスの導入と活用を支援しています。2018年から、キャリアカレッジジャパン様を担当しています。

──キャリアカレッジジャパンのWebマーケティング戦略をお聞かせください。

隣:弊社の講座の申し込みは、すべてオンラインで完結します。そのため、Webサイトからのパンフレット請求や申し込みをコンバージョンポイントとして、Web広告による集客と、パンフレットを請求されたお客様に対する、メールマーケティングを重視してきました。

 以前は手作業でメールを送っていましたが、お客様のリストが増えるにつれ、ステップメールの配信や分析の負荷が重くなってしまう課題が出てきました。そこで2018年にカスタマーリングスを導入し、現在はデータを活用したメールマーケティングを自動化しています。

分析から施策実行まで一気通貫

──カスタマーリングスを導入された決め手を教えてください。

上岡:決め手は、BIツールとしての分析機能が高いことと、分析結果をそのまま施策に反映できる点です。私たちがイメージしていた仮説から分析、施策実行までのサイクルが、一気通貫でスピーディーに実現できています。

──BIやMAを活用する上では、データ基盤の構築が重要です。カスタマーリングスでは、どのように構築・設計をしていますか。

日野:クライアントが実施したいマーケティング施策や企画をベースに、データを構築しています。キャリアカレッジジャパン様の場合は、カスタマーリングスと連携する基幹システムのデータをすべて洗い出していただき、実施したいマーケティング施策のリスト化をお願いしました。

 そのリストを参考に、施策を実現するためのデータ項目をカスタマーリングスに設計して、データを蓄積しています。

山崎:おかげさまでカスタマーリングスは650社以上のクライアントに導入いただいていますが、データ構築にはクライアントごとの独自性が現れ、企業様ごとに正解が違うと考えています。さらに稼働しはじめると、必要なデータがはっきりしてきますので、クライアントとコミュニケーションをとりながら、柔軟にデータを整え続けることが大切です。データ構築のPDCAも回しながら支援できる点が、私たちの強みですね。

LINE公式アカウントの活用で、新たな顧客接点を創出

──キャリアカレッジジャパンでは、2021年にLINE公式アカウントの運用を始めました。どのような目的や課題感から、公式アカウントを開設されたのでしょうか。

隣:LINE公式アカウントは、新たな顧客接点として立ち上げ、主にパンフレット請求や申し込みにつなげることを目的に運用しています。アカウント開設のきっかけは、メールの開封率の伸び悩みでした。お客様のリストは増えているものの、メールの開封率が25%前後を推移しており、残り75%のお客様に情報をお届けしきれていない課題があったんです。そこで、メールを確認されない方もLINEは見やすいかもしれないと仮説を立てました。

 またLINEユーザーには、これまでキャリアカレッジジャパンがアプローチできていなかった層もいらっしゃいます。サービスの認知拡大にもつながると考え、LINE公式アカウントを開設しました。

──LINE公式アカウントで行っている施策やキャンペーンを教えてください。

隣:LINE公式アカウントでは、主に2つの施策を行っています。1つ目は、LINE IDと連携したサンクスLINEメッセージの送付です。友だち登録のインセンティブとして講座の10%オフクーポンをプレゼントしていますが、さらにアンケートで氏名やメールアドレス、興味のある講座ジャンルを回答しLINE IDを連携した方には、20%オフクーポンを送付しています。

日野:隣さんから「LINE IDを連携してサンクスLINEメッセージを送りたい」とご相談をいただいたとき、カスタマーリングスにはその機能はなかったんです。しかし、隣さんからお話を伺い、キャリアカレッジジャパンのお客様にとって最適なデータ活用ができると考え、隣さんにもご協力いただきながら開発・実装しました。現在は、他のクライアントにもお使いいただけるLINE配信オプションにおける汎用機能としてリリースしています。

LINE×カスタマーリングスでセグメント配信を実現

──もう1つは、どのような施策ですか。

隣:セグメント配信です。LINE ID連携を行うと、新規のお客様か、すでにパンフレット請求などをされているお客様かなど、カスタマーリングス側でわかるようになっています。これらの情報をもとに、セグメント配信を進めています。

──実施したい施策を前提としたデータ構築ができているのですね。

日野:もちろん他社様のツールでもLINE IDの連携はできますが、カスタマーリングスはより簡単にID連携が可能です。さらに、キャリアカレッジジャパン様のように、お客様にまつわるデータをたくさん蓄積されているクライアントは、各データを横断的に紐付けたセグメント配信もでき、幅広いLINE施策を実行いただけます。

クリック/タップで拡大
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隣:マーケターとして広告運用や販促施策の知識や知見はありますが、システムの導入やデータ構築には明るくありません。ツールの導入にはハードルを感じるものですが、日野さんは社内の基幹システムを理解した上で、システムの観点から施策の実現方法を考えたフォローをしてくださいます。とても、心強いです。

LINE限定キャンペーンで講座申込数が増加

──では、LINE公式アカウントの施策効果を教えてください。

隣:まずは、サンクスLINEメッセージの20%オフクーポンのCV率が高く、新たな受講機会の創出ができました。カスタマーリングスとLINEを連携し、顧客にアプローチすることで受講率が10%近くアップしています。またLINEを始めたことで、これまでメルマガだけではリーチできなかった方への配信が可能になりました。

隣:チャネル別で見てもメルマガ以上にお申し込み率が高くなっています。間違いなくLINEを活用したことにより、申し込みの増加につながっています。

──セグメント配信の成果はいかがでしょうか。

隣:友だち登録後にアクションのない方には、LINE限定キャンペーンなどのメッセージを配信することで、高い反応が得られています。また、LINEの友だちの中には、LINE IDを連携し、資料請求をされている方もいらっしゃいます。システムの自動化の都合上、その方たちはLINEとメールを重複して送ることになってしますので全体のROIを悪化させてしまいます。

 またカスタマーリングスでは、そういった方を見つけて細かくセグメントを切ることも可能です。LINEのみに配信するなどして、配信効率の最適化も行えています。

 カスタマーリングスには、Webサイトのアクセスの有無といったデータも蓄積されているので、「資料請求から30日以内に受講申し込み」といった細かなセグメント配信も可能です。お客様データを様々な切り口でセグメントでき、施策の可能性が広がりました。

カスタマーリングスにおけるセグメントイメージ
カスタマーリングスにおけるセグメントイメージ

──次は、どのような施策を考えていますか。

隣:LINE ID連携をしている友だちの数も増えてきましたので、「○○講座に興味を持っている方向け」のような、人軸のコミュニケーションを実現したいです。メールマーケティングでは、資料請求のデータをもとに「資料請求した講座の特別オファー」を案内しています。このCV率が高いため、LINEでも展開したいですね。

お客様1人ひとりを理解したマーケティングの実現へ

──最後に、今後の展望を教えてください。

隣:LINEやメールに限らず、メッセージを受け取る方に合わせた配信が重要になると考えています。カスタマーリングスに蓄積された、様々なお客様のデータを活用し、お客様に最適化された配信を実現したいです。

日野:カスタマーリングスは、継続的に機能の追加や改善を進めています。直近では、LINEのリッチメニューの出し分けができるようになりました。資料請求をされた方だけ、特定の講座に興味のある方だけなど、セグメントして出し分けが可能ですので、ぜひご活用いただきたいです。

上岡:Cookie規制が進む中、これまで以上に人を理解したマーケティングが重視されます。私たちは、カスタマーリングスにLINEのデータをはじめ、広告計測データやWebのログ、お客様からのお問い合わせ内容やレビューデータと、あらゆる情報やデータを蓄積しています。そこには、点ではなく線でお客様の行動がつながり、1人のお客様を深掘りして理解するという、カスタマーリングスでなければ実現できない世界観があるんです。

 「データ分析からセグメントして、LINEやメールでフォロー」というマーケティングオートメーションがカスタマーリングスの強みだと感じています。イメージした施策がスピーディーに負荷なく実現できるように、今後も期待しています。

山崎:キャリアカレッジジャパン様は、「受講生の夢を叶えるサポートをする」という明確な姿勢をお持ちのクライアントです。受講生や講座に興味をお持ちの方に適切なメッセージを届けることを前提に、メールやLINEなどのコミュニケーション手段を面で増やし、必要なデータを蓄積していくという、カスタマーリングスの理想的な活用をされています。私たちも、日々のサポートやシステムのバージョンアップを通して、引き続きご支援していきたいです。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/16 10:00 https://markezine.jp/article/detail/39122