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マーケターはプロダクトアナリティクスに注目するべき AmplitudeのGreco氏インタビュー

マーケティングアナリティクスでは購入後までの顧客体験は追えない

──Grecoさんは、ご自身のマーケターとしてのキャリアをAmplitudeでも活かすおつもりでしょうか?

 私はAmplitudeで、マーケターとプロダクト担当者の双方が顧客理解を深められるソリューションの開発を進めていきたいと考えています。

顧客体験全体を俯瞰した図。「既存のマーケティングツールでは購入体験(左)に重きが置かれており、Amplitudeのプロダクトアナリティクスは顧客の維持につながる製品体験(右)をカバーできる」とGreco氏

──Amplitudeがこれからマーケター向けの機能を拡大していくということですね。

 はい。私が入社する以前から、Amplitudeを活用するマーケターの数は着実に増えていました。そして、マーケターは「AdobeとAmplitude」または「GoogleとAmplitude」のように、複数の製品を使うことによる弊害や問題を感じ始めています。

 マーケティングアナリティクスでは、製品購入までのユーザー体験は可視化できても、製品購入後を追うことはできません。しかし、顧客とのエンゲージメントやリテンションのためには「顧客が製品をどのように使っているのか」まで分析する必要があります。ここまでの視野を持っているマーケターが、Amplitudeを使って製品購入後の体験も分析しているのです。

 このような状況を受け、Amplitudeは2022年5月にプロダクトアナリティクス「Amplitude Analytics」に、セルフサービス型でマーケティングパフォーマンスを測定できる「Campaign Reporting」を新たに実装しました。

 Campaign Reportingでは、ユーザーがどのチャネルから流入しているのかがわかったり、アトリビューションモデル(※)を使ってマーケティングプログラムがプロダクトのKPIにどのような影響を与えているのかを分析したりすることが可能になります。「マーケティング」と「プロダクト」を結びつける初のシステムとなるでしょう。

※ユーザーが広告を初めて見たときからCVに至るまでの過程にある広告を、CVに対する貢献度合いに応じて評価するモデル

マーケティングツールとしての可能性

──AdobeやGoogleが自社製品にプロダクトアナリティクス機能も実装するなど、事業を拡大することも考えられます。Amplitudeはマーケターに向けてどのように訴求するのでしょうか?

 AdobeやGoogleが提供するツールの機能を私なりに10段階で評価すると、マーケティング機能は「9~10」プロダクトアナリティクス機能は「3~4」といったところでしょうか。

 一方、Amplitudeの場合はプロダクトアナリティクスが「9~10」マーケティング機能は「6」程度です。しかし、このほどCampaign Reportingに加えて「Amplitude CDP」を発表しました。CDPのサービスを提供することで、マーケティング機能を「8」にまで上げることができたと思います。

 背景を見ても、追い風は我々の方に吹いています。AdobeやGoogleのマーケティングアナリティクスは、いわば定番。いつもそこにある“家具”のようなもので、大きなイノベーションは起り得ません。そして、マーケティングがプロダクトに移行しつつあるというトレンドにも追いついていない印象を受けます。

 もう一つの重要な背景が、GDPRやサードパーティクッキー廃止などのプライバシーに関する動向です。顧客の獲得はこれまでになく困難になっています。マーケティングとは顧客を知ることですが、顧客は「知られたくない」と思っている。しかし一旦顧客が自社の製品を利用してくれれば、プロダクトアナリティクスを使ってリテンション施策を打つことができます

 「Amplitude=プロダクトアナリティクス」という理解は既に浸透していると思うので、今後は「マーケティングツールとしても利用できる」という認知の醸成に挑戦していきます。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/26 07:30 https://markezine.jp/article/detail/40215

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