Contentsquare(コンテンツスクエア)は、「2023年 デジタルエクスペリエンス・ベンチマークレポート」の日本語版を公開した。このレポートは、日本を含む全世界2,942のウェブサイトを対象に、350億のウェブサイト訪問と1,610億のページ閲覧におけるユーザー行動を統計的に分析し、その動向をまとめたもの。
同調査により、消費者の多くがモバイル端末でコンバージョンしようとしているまさにその時に離脱していることが明らかになった。これはブランド運営企業にとっては、最も重要なタイミングで顧客を失っていることを意味する。
一方で、デバイス横断でスムーズな顧客体験を提供しているブランドは、ウェブサイトにおいてトラフィックが特に多い上位3つの顧客接点(商品詳細ページ、カテゴリーページ、支払いページ)で大きな成果を上げていることが確認できた。
調査概要は以下の通り。
3割強のユーザーがほとんどのサイトでフラストレーションを感じている
ほとんどのウェブサイトにおいて、36%のユーザーがフラストレーションを感じていることが明らかとなった。その最大の要因はページの読み込みの遅さで、読み込み時間が長くなるとユーザーのエンゲージメントが急激に減少し、離脱が一気に増加する。
また、フラストレーションの要因として次に大きいのはレイジクリック(ユーザーがウェブサイトの同じ場所を何度もクリックすること)で、閲覧セッションのの6%に影響を与えている。
アクティブな訪問者が多いサイトは、CV率が高く直帰率が低い傾向に
ユーザーのアクティビティが多いサイトは、アクティビティが少ないサイトに比べて、ビジネス成果につながる各種の指標で優れた数値を記録している。
具体的には、コンバージョン数が19%高い(アクティビティが少ないサイトは2.26%のところ、アクティビティが多いサイトは2.69%)ほか、セッション深度が46%多い(同3.7ページに対し5.4ページ)、直帰率が20%低い(同55.4%に対し44.4%)などであり、これらがブランド運営企業にとってより良い結果をもたらしている。
また、購入に至ったユーザーは購入決定までに平均20ページ以上のコンテンツを閲覧していることから、デジタル接点においてユーザーとのエンゲージメントを持続させることが成功の鍵と考えられる。
しかし、今回の調査データによると、ユーザーの忍耐力とコンサンプション(コンテンツの消費行為)が全体的に低下していることがわかる。対前年比で見ると、セッション深度(セッション当たりのページ閲覧数)は2.3%減少し、セッション当たりの滞在時間は7.5%減少している。
多くの企業は、特にモバイル端末の支払いページでユーザーを失っている。モバイルユーザーの19.7%は支払いページで時間を費やしているが、モバイル全体の売上成果は前年比で4%以上減少している。一方、デスクトップでは、訪問者の18%が支払いページを閲覧し、コンバージョン率は前年比で約3%上昇した。
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