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サーチリフトは130%強!LIFULLに聞く、インターネットミームを活用したYouTube制作とは


YouTubeのミームに着目した理由

──これまで色々な媒体に投資されてきたと思いますが、YouTubeに注目した理由は何でしょうか。

川嵜:広告宣伝費に多額の投資をして、あらゆる方々に広く届けてる広告の時代は終わったと思っています。今は、ターゲティング×企画の組み合わせが、生活者一人ひとりに広く深く届けられる方法ではないかと考えています。

 その仕組みが働きやすく、かつ多くの年代の方が見ている点からYouTubeに注目しました。YouTubeは、届けるべきメッセージを届けつつ、刺さる企画をうまく作れば、実利やアクションにつなげやすいメディアだと捉えており、注力しています。

株式会社LIFULL 執行役員 CCO<br />クリエイティブ本部長 川嵜鋼平氏
株式会社LIFULL 執行役員 CCO
クリエイティブ本部長
LIFULL HOME'S事業本部マーケティング部長 川嵜鋼平氏

川嵜:YouTubeというチャネルは独特なカルチャーを持っています。生活者が普段YouTubeを見る際、企業の広告は見ない人が多い。なぜならYouTubeというコミュニティの中で、企業広告は「つまらない・異質なものである」と捉えられているからだと思います。

 要は「YouTubeはみんなのもの」という場を理解した上で企画を立てる必要があります。そうしたカルチャーを理解した上で「これだったら見てもいい」と思っていただけるものを設計したいと考えました。

──なぜミームに目をつけたのでしょうか。

川嵜:まずYouTube内には既に多くのコミュニティが存在します。そうしたコミュニティの中に企業が横入りすることは難しいです。

 一方、YouTuberやファンを通し、オーガニックで継続的に見られているミームが既に存在しています。そうした型に、企業の色が合わさることで「そこでしか見れないコンテンツ」を作ろうと考えました。また私達の伝えたいメッセージが、YouTube内の各コミュニティになじんだ形でお届けできるのではと思っています。

 それによりオーガニックでの再生や、YouTubeをとりまくファンとのエンゲージメントを高めた上で、事業に貢献する狙いがありました。

カルチャーになじませ、企業らしさを出す

──クリエイティブに落とし込むにあたり、こだわっている点を教えてください。

川嵜:YouTubeというカルチャーをしっかり理解して、そこになじむコンテンツを作成することです。

 たとえば、もったいないコールであれば歌のボリュームをあえて大きくしている点、すしざんまいの方も木村社長の息遣いが少しうるさく感じるくらい聞こえている点です。元からミームのファンである方の熱狂ポイントや、ミームのユニークさを存分に引き出し、織り交ぜて企画しています。そういう点では、テレビCMとは全く異なる作り方をしています。

 動画の最後にはどちらもサービスカットが出てきますが、「お寿司でたとえてみました」は木村社長の顔の真ん中にドンと出しています。そこもあえてYouTubeのカルチャーを意識した上で「LIFULL HOME'S、やるじゃん」と最後に思っていただけるように意識しました。受け入れていただいた木村社長には感謝しています。

「お寿司で例えてみました」篇
「お寿司で例えてみました」篇

──動画視聴から行動に至るまでの障壁をどのように取り除いていったのでしょうか。

川嵜:使ってもらいたい気持ちや、機能を押し出す企業目線のコミュニケーションではなく、ファン目線で作りそこにLIFULL HOME'Sらしさを盛り込みました。こうすることで「見た人がファンになり、ちょっと周りにシェアしたくなるような、自然と行動したくなる」クリエイティブにしていくように構成しました。

 なのでファン自身も「LIFULL HOME'S、さすがじゃん」と、気持ちのハードルを越えてコミュニケーションができるのではないかと考えています。実際、周りからも「よく決裁しましたね」と声をかけていただくこともあります(笑)。

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この記事の著者

齋藤 ゆう(編集部)(サイトウ ユウ)

大学卒業後、広告代理店に入社しマーケターに。その後、事業会社に転職。金融・美容分野のマーケティング・企画・運営・セールスに携わる。2020年、翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/12 09:13 https://markezine.jp/article/detail/41904

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