物価高騰に備え、生活者が注目するキーワードは?
物販編における二つ目のトレンドは、「物価高対抗消費」だ。楽天市場では、「まとめ買い」のキーワードを含む商品の需要が拡大傾向にあり、流通額が2022年比で約1.5倍伸びた。特に炭酸水やレトルトカレーといった食品や、ティッシュ・トイレットペーパー・柔軟剤などの日用品ジャンルにおいて人気が高まっている。
また、節電につながる「冷感」をキーワードに含んだアイテムも伸長し、流通額が約1.4倍に推移した。冷感敷きパッドや汗を素早く吸収し冷却効果が得られるタオルなど、暑さをしのぎ、節電できるアイテムが生活者に支持されているという。この他、ポータブルクーラーや南部鉄器の風鈴なども冷感アイテムとして人気が出ている。
コロナ禍前よりも日程・行き先が分散
旅行・レジャー編では、楽天トラベルの予約データを基に、夏の旅行動向を解説した。2023年の7月および8月の旅行予約は、コロナ禍前の2019年同月と比較すると、約1.3倍のペースで予約が伸び、予約も比較的早い時期から行われている傾向にある。
旅行・レジャー編で注目された一つ目のトレンドは「分散型旅行」となった。宿泊日別に2023年の傾向を見ると、7月の3連休や8月のお盆期間の予約は2019年比で約1.2倍に伸長。一方、連休以外の日程の予約は約1.3倍に伸長。連休以外の日程にも分散する形で、旅行の予約を行う傾向が見受けられた。
さらに旅行先についてもエリアが広がり、分散する傾向が見られた。次の表は、全国を13のエリアに分けそれぞれの予約の伸び率と全体平均を比較したものだ。見てみると2019年は、前年比で伸長率の平均を上回るエリアが全体の半分以下となり、2023年は全体平均を上回るエリアが7割を占める結果となった。
上記の結果を踏まえると、2019年は予約先が一部エリアに比較的集中したことに対し、2023年はより幅広いエリアで予約が伸長していることが読み取れる。
このように宿泊日や旅行先が分散した背景の一つとしては、コロナ禍の混雑を避ける生活が続いた影響があると同社は見ている。加えて旅行スタイルが多様化したことや、ピーク期間を避けた宿泊予約などでお得に旅行ができることも挙げられた。
