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商談数が最大2.3倍に!BtoB企業の広告運用で意識すべきは“広告の最適化”ではない

 多くのBtoB企業では、デジタル広告を活用したリード獲得を行っているのではないか。そして、そのほとんどがリード獲得数とCPAをKPIとしているのが現状だ。しかしオーリーズのCOOを務める宇賀田氏は、「リード獲得を追い求めるだけでは限界がある」と警鐘を鳴らす。本記事では、BtoB企業におけるデジタル広告の限界、商談化や売上につながるリードの獲得方法、そしてオーリーズが新たにリリースしたBtoBに特化した運用型広告支援について宇賀田氏に話を聞いた。

商談数増加を目的に、運用型広告をはじめとした幅広いサポート

――オーリーズはBtoBに特化した運用型広告支援の提供を本格的に開始すると聞きました。そのサービス内容について教えてください。

株式会社オーリーズ 執行役員/COO 宇賀田 徹氏

 今回リリースしたBtoBに特化した運用型広告支援は、広告の遷移先となるランディングページ(LP)も含めた運用型広告の運用支援をはじめ、ダウンロード用のホワイトペーパーといったコンテンツの制作、獲得したリードを商談につなげるインサイドセールスの代行、インサイドセールスの成果改善やマーケティング施策ごとのROIの見える化などを目的としたSalesforceやマーケティングオートメーションの構築・運用など、リード獲得から商談化までの施策を総合的に支援するサービスです。

 依頼いただく企業様の状況によってサービス内容は変化しますが、多くの場合はマーケティング予算の最適配分ができるようマーケティング施策ごとに商談獲得コストを見える化するところから着手します。その上で効率の良い予算配分を提案し、さらにその過程で浮かび上がった各施策の課題解決を支援する流れとなります。

――BtoBに特化した運用型広告支援を行う企業はいくつかあると思いますが、御社ならではの強みを教えてください。

 広告の運用代行だけではなく、リード獲得から商談化まで、関連するすべてを一気通貫で支援できるのが強みだと考えています。広告の目的はリードを獲得することですが、リード獲得の目的は商談を作ること。つまり広告で獲得したリードが商談化しなければ意味がありません。

 BtoBマーケターの多くはリード獲得数や単価を見ていますが、そうではなく商談数を見る。それだけでBtoBマーケティングの効率は大きく改善するので、リード獲得だけではなく、商談獲得まで一気通貫の支援ができることは大きな強みだと考えています。

 さらに、直近ではSalesforceの設計や同社が提供するマーケティングオートメーションツールであるAccount Engagement(旧Pardot)の運用、インサイドセールスの支援を行うセールスリクエストをM&Aしており、広告運用以外の部分もサポートできる体制が急速に強化されつつあります。

 またサービスのユニークな点として、広告代理店であるにも関わらず、商談が増えるならば広告予算を他のマーケティング施策に再配分することも積極的に提案します。本来、広告代理店がそれをすると自社の利益と相反する動きになるので、タブー視されることが多い提案ですが、広告以外の商談獲得手段であるBDRやウェビナー、展示会に対して支援が可能な当社だから実現できるサービスだと考えています。

運用型広告のプロだからこそわかる広告の限界

――なぜBtoBに特化した運用型広告支援を始めたのでしょうか。

 オーリーズでは6年ほど前から私を中心にBtoB企業の広告支援を強化していました。その中でわかったのが、広告の限界の存在でした。実は、多くのBtoB事業の広告運用は広告のアカウント設計を考えるに当たっての変数が比較的少なく、アカウント設計に工夫の余地が少ないという事実があります。その中で広告運用者は少しでも成果を改善しようとします。

 たとえば、その施策の一つとしてホワイトペーパーがあるのですが、出たリードに対するインサイドセールスの対応を変えないと、資料請求やお問い合わせなどで取っていたリードと比べて商談化率が大きく低下してしまいます。ですので、多くの場合においてセールス側の要望もあってホワイトペーパーでのリード獲得を禁止しているケースも多いです。

 しかしながら、実はホワイトペーパーによるリード獲得施策は当社の経験上、インサイドセールス側の工夫もセットで行うと資料請求などで獲得できなかったような商談を資料請求と同程度の費用対効果で獲得できるようになる可能性もあります。

 このような理由から、私はBtoB企業の広告運用で商談を最大化するために最も重要なことは広告アカウントを細かくチューニングすることではなく、広告のプロの視点を持った上で広告の外にある関連領域に目を向けることだと考えています。

 このように広告という手段だけにとらわれると施策が制限されてしまい、頭打ちを感じてしまいますが、インサイドセールスなどの周辺領域と広告をセットで改善できるとその頭打ちを打破できるというのがこれまでの経験の中でわかってきたのです。

 しかし、それを実現するのは簡単ではありません。広告の支援はほとんどの場合、企業のマーケティング部から相談をいただきます。マーケティング部の多くはリード獲得の役割を担っており、商談化率を上げるところまで見えていないことが多いです。また、マーケティングとセールスが分断してしまっていることも多く、私達が保持している商談を増やすノウハウを100%活用できない状況が続いていました。

 そんな中、国内ではSaaS企業を中心にSalesforce社で開発された営業プロセスモデル「The Model」が浸透し、徐々にマーケティング部も商談まで気を配るのが一般化し、昨今では商談化も見据えた広告運用に対して興味を示してもらえることも増えてきました。

 このようなトレンドに乗りながら、私たちは広告の成果を最大化させるために、広告以外の分野にまで支援範囲を拡大していきました。その積み重ねを通じて成功事例も増えてきたことから、今回BtoBに特化した運用型広告支援の提供を開始したのです。

商談を増やすマーケティングに必要なこととは?

――BtoB企業のクライアントから御社にはどのような相談が来ることが多いのでしょうか。

 はじめは多くの方が「CPAを下げたい」「リード獲得を増やしたい」という相談をされます。しかし、これは「広告運用会社に相談するのはCPAやリードの話だ」という先入観によるところが大きく、ヒアリングを続けていくと「目的は商談化であり、極論CPAが上がっても商談が増えていればいい」という話に変わっていきます。

 ここまでお話ししてきたように、リード獲得はあくまで商談獲得の手段として捉え、マーケティング施策を評価し、改善を行う必要があります。一方で「広告代理店にはリード獲得数とCPAを改善してもらうものだ」という意識を代理店側も広告主側も持ってしまっては、双方の施策の柔軟性を制限してしまい、ROIは上がっていきません。「リードが増えた」「CPAが下がった」という話も必要ですが、最終的に商談までつながっているか?の視点は持ち続けなくてはいけません。

――商談がどれだけ生み出せているかをマーケティング施策ごとに評価する方法を教えてください。

 Salesforceを少し開発して、営業が更新しているリード情報にどのマーケティング施策からリード化したかという情報を付加することで、マーケティング施策ごとの商談化までのモニタリングを可能にします。広告などのデジタル施策をこのリード情報に紐付ける際、お客様側で一部作業は発生しますが、設定さえしてしまえば、多くの企業様で大きな改修は必要ありません。また、当社であればそれほどの費用をいただかずとも実装できることがほとんどです。

商談数は1.6~2.3倍に、商談化までのコストは32%~63%削減

――すでに様々なBtoB企業の支援をしていると聞いています。実際の事例はありますか。

 たとえば、あるマーケティング関連のSaaSを提供する企業様では商談数は2.3倍、商談獲得コストは32%削減。製造業の企業様では商談獲得数が1.6倍、商談獲得コストが63%減という成果が出ています。

 一般公開できる情報は少ないですが、その他にも多くの企業様にご提供しており、これまでリード獲得数・CPAまでしか見られていなかった企業であれば、商談獲得コストが一切改善しなかった事例は現時点ではありません。

全てのマーケティング施策を横並びでモニタリング可能に

――商談獲得コストがモニタリングできている企業は多くないと思うので、多くのBtoB企業で改善できるということになると思います。それほどまでに改善が期待できるのはなぜでしょうか。

 必ず媒体やターゲティング、出しているクリエイティブなどでリードから商談化までの歩留まりに差が生まれるからです。そんな中で多くの企業は全ての広告キャンペーンに対して一律のCPAで運用しています。ですので、この歩留まり差が見える化されたら、後はそれを加味して媒体ごとのCPAを設定し直すだけで商談が増加します。

 さらに、当社は広告だけでなく全マーケティング施策を横並びでモニタリングできるようにするのでより効果は高くなります。具体的には毎月300万円かけているGoogle広告の商談獲得コストが10万円、BDR施策の商談獲得コストは12万円だとします。この情報だけ見るとGoogle広告に毎月300万円かけているのは妥当に見えるかもしれませんが、「Google広告」という捉え方ではなく、「Google広告の指名系キャンペーン」「Google広告の一般系キャンペーン」という分析をしてみてください。ほとんどの場合、指名系キャンペーンの商談獲得コストが3万円、一般系キャンペーンの商談獲得コストが20万円といったような内訳になっています。

 つまり、実はGoogle広告をより詳細に分析すると、一般系キャンペーンの商談獲得コストは想像以上に高いのでそこにお金を使うのであれば、BDR施策にお金をかけたほうが同じ予算でも商談は増えます。このように、マーケティング施策ごとに商談まで細かく分析できる環境を整えることで、予算配分のムラが見つかり、基本的には商談獲得コストが下がり、商談が増えるという理屈です。

 当社はそれを検索連動型広告であればキーワード単位まで見られるようにするので、確実性はさらに高まります。

知見を伝え、新たな開発にも着手

――最後に今後の展望を聞かせてください。

 まだまだマーケティング施策ごとに商談獲得コストを見える化できていない企業が多いです。これができないと、どんな施策を打っても改善サイクルがPDCAのCheckで止まってしまいます。ですので、なによりまず私達が優先すべきはこの「見える化」できている状態を1社でも多く実現することだと考えています。

 それができてくると、ようやく広告、インサイドセールス、Salesforce、マーケティングオートメーションなどの施策間の連携による高度な打ち手を打てるようになります。広告とインサイドセールスの連携で言えば、先ほどお伝えしたように、広告でホワイトペーパーを使ったリード獲得をしながらインサイドセールス側の対応もそれに呼応させて最適化するという動きなどが考えられます。

 こういった動きができると、今まで獲得できていなかったようなユーザー層から商談が獲得できるようになるようになります。ただし、それも商談獲得まで見える化できていないと、評価できないので、やはりまずは「見える化」ですね。

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社オーリーズ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/08/28 11:00 https://markezine.jp/article/detail/43084