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BtoBマーケティングの打ち手を再考する

スモールステップが成功の鍵 リクルート流・地に足の着いたデータマネジメント

 「Adobe Experience Cloud」製品の活用により、事業成長の加速や顧客ロイヤルティの向上など、目覚ましい成果を上げている企業/チーム/個人を表彰する「Adobe Experience Maker Awards」。同アワードの日本部門で大賞を受賞したのが、リクルートの橋本はるな氏です。本記事では、組織横断でデータの活用を支援する橋本氏に、受賞の理由やデータマネジメントの要諦、システム導入で失敗しないためのコツをうかがいました。

“守り”のデータ活用を担う

──はじめに、橋本さんの簡単なご経歴と、現在取り組まれている業務の内容を教えてください。

 2017年にリクルートへ入社し、一貫してアクセス解析ログの業務に従事しています。当社の事業領域は仕事、住まい、飲食、美容、旅行など多岐に亘ります。私がリーダーを務めるアクセス解析チームでは、幅広い事業領域を横断しながら、データアーキテクチャの設計やデータの収集を担っている点が特徴です。

リクルート 橋本はるな氏
リクルート データ推進室 データプロダクトユニット データプロダクトマネジメント1部 利活用ソリューショングループ 橋本はるな氏

──アクセス解析チームは、何名のメンバーで構成されているのでしょうか?

 パートナー企業から常駐いただいているメンバーも含めて、約20名が所属しています。

──「The Experience Maker of the Year(Japan)」の受賞、改めておめでとうございます。「Adobe Experience Cloud」製品を活用した、御社の取り組み内容を教えてください。

 当社では「Adobe Analytics」「Adobe Target」「Adobe Campaign」「Marketo」を利用しています。私が所属するアクセス解析チームでは、Adobe AnalyticsとAdobe Targetをメインで扱っています。

 それらのツールを使ったA/Bテストの実行やキャンペーンの最適化、顧客体験の向上については、各領域のUI/UX担当者やマーケティング担当者が推進します。我々はその後方支援として、データアーキテクチャの設計を担う役割です。「こんなキャンペーンを実施したいが、システムに依存した懸念点はないか?」「施策の成果を検証するためにはどのようなデータが必要か?」など、主にレビューを担当するイメージです。加えて、効率的なデータ活用を可能にする組織横断の活動(データカバナンス)も我々が請け負います。いわゆる“守り”の部分です。

収集データの品質管理や自動化の推進に寄与

──どのような点が今回の受賞につながったとお考えですか?

 リクルートは2012年に分社化したのち、2021年に再び統合した経緯があります。そのため、事業領域によってデータの収集方法や種類がバラバラでした。アクセス解析チームは全社を横断する組織として、バラバラだったデータの品質をなるべく一定のものにし、高い水準に合わせて運用フローを見直す取り組みを続けてきました。様々なサービスドメインが存在する中、アクセス解析チームをオーナー組織とし、業務の効率化や施策の推進を横串で行っている点が評価されたと考えています。

 また、限られたリソースで様々なドメインをまとめなければなりませんから、自動化には力を入れていました。管理APIを使った自動化や、閲覧権限の承認を受けてから約15分でデータの閲覧権限を付与するようなバッチ処理の設定などです。ほかには、収集データが一定のラインを下回る場合に、データ収集の継続可否を自動的に確認する仕組みも構築しました。これらの取り組みにより、事実上“放置状態”にあるアクティブなレポートを低く見積もっても約半分に削減し、管理側の工数を1.5人月程度まで削減することができたのです。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/02 09:00 https://markezine.jp/article/detail/43959

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