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BtoBマーケティングの打ち手を再考する

セッション数は30%増、受注にも貢献!fondeskがテレビCMで成果を出せた理由とは?

 2019年にサービスを開始した電話代行サービス「fondesk」。コロナ禍の影響もあり、サービス開始から1年後には300社以上、2年後には2,200社以上の会社が利用するまでに成長を遂げた。そして2022年の夏、fondeskはBtoBビジネスを生業としながらテレビCMを行ったという。BtoBビジネスにおけるテレビCMにはどんな狙いがあったのだろうか。どういった工夫をし、どんな成果が得られたのか、現在5,000社以上の会社が利用するfondeskを運営するうるるの執行役員であり、fondeskの事業責任者でもある脇村氏に話を伺った。

コロナ禍で成長も、次なる成長に課題

――最初にCMを活用するに至った背景について教えてください。

 CMの出稿に際しては、Growth Campの山代さんとの出会いが大きなきっかけでした。

 fondeskは2019年2月にスタートしたサービスです。2020年の4月に緊急事態宣言が発令されオフィスへ人が物理的に出勤できなくなったことで、電話応対の代行に関するニーズが高まり受注が増えていきました。

株式会社うるる 執行役員 脇村 瞬太氏
株式会社うるる 執行役員 脇村 瞬太氏

 そのためサービス開始から1年後には300社以上、2年後には2,200社以上の会社様にご利用いただくまで成長できたのです。しかしコロナ禍が長期化してニーズも徐々に落ち着きを見せ、事業の成長スピードが少し鈍化しつつありました。

 そうした中でfondeskには「次なる成長のチャンスを自分たちで起こすにはどうすればいいのだろうか?」という課題感が生まれていきました。

 このとき候補に上がったのが、テレビCMやタクシー広告といったマス広告でした。認知施策として使われることの多い両広告は、BtoB企業の実施は増えているものの予算や効果の観点から実施のハードルが高いと思います。しかし、fondeskではリリース当初から認知を目的としたデジタル広告の出稿経験もあり、その手応えには確かなものを感じていました。

 こうした背景から認知施策において最もインパクトを起こせる媒体としてマス広告の活用を考えていたのです。

 その中でとあるビジネスカンファレンスに参加した際、Growth Campの山代さんとお会いしました。彼はテレビCMの経験とノウハウを持っていたので「どう始めたか」「コスト感はどうなのか?」といったことを率直に質問しました。その時の回答を踏まえ、fondeskでもやり方次第で成果が出せるという確信が持てたのです。

 また、山代さんとの会話は実施の後押しになりましたが、実際「やってみなければわからない」というのも思っていたので、テレビCMにはいずれチャレンジしたいと思っていました。山代さんとの会話でテレビCMを少額からスモールスタートする方法、また検証と改善方法を教えていただけたので、テレビCMの出稿を決断できました。

1度は失敗、でも2度目に改善できた理由

――テレビCMにあたって、クリエイティブやプランニングなど、どんな工夫をされたのでしょう?

 クリエイティブに関しては、実は一度作り直しています。最初にCMを放映した2022年の夏には、3パターンのCMを用意していました。それぞれ異なる職業のビジネスパーソンに焦点を当て、「取れなかった電話にビジネスチャンスが埋もれているかもしれません」という共通したメッセージを訴求しました。

 このクリエイティブは関西で放映したのですが、セッション数は増えたものの商談化や受注に結び付かず、良い手ごたえは得られませんでした。

――なぜ成果に結びつかなかったのでしょうか。

 テレビCMの出稿期間が終わった後、何がいけなかったのかのすぐに振り返りを実施しました。その中で出てきたのが、「訴求したメッセージがお客様の解決したい事象ではなかったのでは」という仮説でした。

 この仮説を検証すべく行ったのが、既存のお客様へのインタビューです。テレビCM を見ていただき、そのお客様のfondeskの導入理由、テレビCMで欲しいメッセージなど様々な意見をいただきました。

 支援に入っていただいたGrowth Campの方々の同席のもとインタビューを進め、最終的にお客様の感じていた価値が「オフィスの電話のストレスをなくせる」という点にあるとわかりました。

 電話を誰が取るのか見合ってしまう、出た電話の取り次ぎが面倒……など、日々かかってくる電話で起こるストレスを緩和するために、fondeskを利用されていたのです。

2度目のクリエイティブでは、電話で起こるストレスを表現
2度目のクリエイティブでは、電話で起こるストレスを表現

 そうして得られたデータを参考にしつつ、クリエイティブを新たに制作しました。そして、配信地域も導入の進んでいた関東圏へと変更し、2023年1月に二度目のテレビCMを行ったのです。

電話で起こるストレスを表現した後、サービスを訴求する内容に
電話で起こるストレスを表現した後、サービスを訴求する内容に

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、20...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/08/30 08:00 https://markezine.jp/article/detail/46690

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