広告主の負担を大幅減する新機能
──API開発に充てるリソース不足などを解消するCAPIの新たな導入方法として、代理店専用の新機能「コンバージョンAPI ゲートウェイ マルチプル アカウント(以下、CAPIマルチプルアカウント)」が発表されました。これは具体的にどのような機能なのでしょうか?
杉山(サイバーエース):従来のCAPI直実装では、各広告主が所有しているサーバー環境に合わせてユニークな開発が発生してしまうため、広告主側の対応を要する点が課題としてありました。その点CAPIマルチプルアカウントでは、代理店がAWSサーバーを一括設定するため、広告主の工数を削減し、CAPI導入のハードルを下げることができます。
CAPIマルチプルアカウントは、連携するデータ元が直実装とは異なります。「Meta Pixel(Meta広告タグ)」で取得したオンライン上のユーザー行動データを、別途用意したAWSを通過させることで、サーバーサイドCookieを利用の上Metaサーバーに連携し、ユーザーの計測・学習を行う手法です。
杉山(サイバーエース):CAPIマルチプルアカウントを使えば、実装にあたって広告主に対応いただくことはサブドメインの発行くらいです。非常にスピーディーにCAPIを導入できる点が特徴だと思います。
津野(Meta):これまではCAPIの開発コストや工数を調整するだけで1、2年かかってしまう広告主様もいらっしゃいましたから、導入ステップは大幅に省略できるはずです。
広告主・メディア・代理店の連携はマスト
──最後に今後の展望をお聞かせください。
津野(Meta):冒頭で申し上げたとおり、Cookieレスが進む今、いかに自社の広告に合ったデータ活用しながら配信できるかが重要になっています。当社ではサイバーエース様のお力を借りながら、広告主が配信効率を上げつつ自社に合った広告を配信できるよう、引き続き取り組んでいきたいです。
杉山(サイバーエース):今、広告業界は転換期にあります。現状がネガティブに語られることもありますが、私個人としてはこの状況をチャンスだと捉えています。これまではWeb広告の領域で新しいことに挑戦したくても、Web上のデータくらいしか活用することができませんでしたが、今は活用できるデータが増え、挑戦の幅が広がったと言えるのではないでしょうか。
ファーストパーティーデータの活用は今後ますます活発になっていきます。新しいことにいち早く挑戦できる広告主は、業界においても先行優位性を高められるはずです。当社としてはそのようなお取り組みを積極的にサポートしていきたいと考えています。
津野(Meta):ファーストパーティーデータの活用は、広告主の協力があってこそ進められるものです。データを保有する広告主、データと広告を熟知したサイバーエース様、そして我々メディアの強固な連携はマストだと思います。