生成AIとクリエイターの対話をプロセスに組み込む「PING-PONG」とは?
前述の課題に対し、博報堂DYグループが開発したのがクリエイティブプラットフォーム「PING-PONG(ピンポン)」だ。
PING-PONGではChatGPTを活用。ターゲットやカスタマージャーニー、訴求軸を自動生成する機能や、クリエイティブに用いるテキストを生成・評価する機能などが搭載されている。加えて、Adobe Creative CloudやSlackといったプロダクトと連携することも可能だという。
PING-PONGにより目指す効果
1.クリエイターがAIを自分の手足のように使える環境づくり
2.クリエイターの発想力や選定力のスケールアップ
3.制作工程のDXによるスピードアップ、量産化
4.クリエイターの意志を第一にした継続的なプラットフォームの改善
たとえば、PING-PONGには動画広告に特化した「H-AI EYE TRACKER」というプロダクトがある。同プロダクトには、テレビCMやウェブ動画のどこを注視するかをヒートマップで予測し、クリエイティブの改善をサポートしたり、各媒体に適したサイズに動画をリサイズしたりするなどクリエイティブ業務を“アシスト”する機能を装備。
さらに、テレビCMの“評価”“予測”をするプロダクト「Best HIT DB with TVCM評価AI」もリリースを予定しているそうだ。
「なぜあのテレビCMはウケたのか?」の要因をみんなが見れるプロダクト
講演では、現在開発が進んでいる「Best HIT DB with TVCM評価AI」について、データサイエンティストとして開発に従事している内山氏より共有された。
「Best HIT DB with TVCM評価AI」のデータベースには、過去に放映されたテレビCMの情報やそれに対する評価および評価の要因などが内包されており、マーケターもクリエイターも随時これを検索・閲覧することが可能。加えて、現在進行中のテレビCMの評価予測も可能になるそうだ。
興味深いのは、「Best HIT DB with TVCM評価AI」がどのようにして開発されたか。この開発過程を知ると「Best HIT DB with TVCM評価AI」が出す評価や分析、予測に対する納得度が変わってくる。内山氏は、事前分析→アノテーション→予測という3つのステップで開発プロセスを紹介した。