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博報堂DYがグループ横断で進める「AI×クリエイティブ」研究/その成果と「制作現場の未来」を共有

「クリエイティブが画一的になってしまう」という懸念は?

 このように開発された「Best HIT DB with TVCM評価AI」では、大きく分けて次の3つの機能とベネフィットが提供される。

1.検索機能:過去放映の動画素材の情報および広告評価を検索することができる。これにより、暗黙知化してしまっていたテレビCMの表現効果に誰でもアクセス可能となる。

2.要因分析:過去放映の動画素材の広告評価の要因を分析することができる。経験と勘に依存していたテレビCMの制作に再現性をもたらす。

3.事前予測:制作過程のテレビCM動画の広告評価を事前予測することができる。あらゆる表現の可能性がある中で、事前評価を通して定量的な意思決定がサポートされる。

 「ここまでの話を聞いて、クリエイティブが画一的になってしまうのでは? という懸念を持った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これらの機能はあくまで制作の初期段階における提案および評価予測をするためのもの。以降の制作過程を経て放映されたテレビCMは、初期の評価予測を上回ることもあるでしょう。

 そうした上振れを起こす要素があるのなら、私はそれは“クリエイターのこだわり”だと思います。神は細部に宿るといいますが、『Best HIT DB with TVCM評価AI』はまさにクリエイターがその細部に集中する時間を作るためのプロダクトです」(内山氏)

AI×データの力で、クリエイティビティの可能性を拡張

 これまでもこれからもマーケターとクリエイターは、各々のプロフェッショナル性を発揮しながら、戦略立案から広告制作、出稿、効果検証の工程を進めていく。その工程にデータ、テクノロジー、AIが搭載されると、マーケティングおよびクリエイティブの可能性が拡張されるというわけだ。

 「これまでテレビCMをはじめとするブランデッドクリエイティブにおいては、クリエイターとマーケターが交互に、たとえるならバケツリレーのようにして工程が進められてきました。しかし、データとテクノロジー、AIの力を上手く使えれば、異なる専門性を持つスタッフで同じデータを見ながら、それぞれが自分のやるべきことを考えられるようになります」(木下氏)

これからのクリエイティブ制作のPDCA
これからのクリエイティブ制作のPDCA

 たとえば、マーケターは「生活者の心を動かすストラテジー」を、クリエイターは「生活者の心を動かす表現」を突き詰めることに、より力を注げるようになる。「Best HIT DB with TVCM評価AI」を活用したクリエイティブ制作は、富士山の5合目まで車で行くようなものと言える。講演の最後に、木下氏は今後の意気込みを次のように語った。

 「現在はコンセプト×クラフト×コミュニケーションの3つの軸でプロダクトサービスを開発中で、いずれもクリエイティブ業務を効率化し、クリエイティビティを拡張するものとなっています。これからも博報堂DYグループでは人間×AIの共創により、新たな価値を生み出すプラットフォームの開発に取り組んでいきます」(木下氏)

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社博報堂DYホールディングス

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2024/04/25 12:00 https://markezine.jp/article/detail/45054

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