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“マツキヨPBの立役者”乙幡氏が紐解く 商品ブランド設計術

「実は、明確な競合は決まっていません」チョコパイの独自性を確立させるロッテの“情緒的価値”戦略

 これまでイオンのプライベートブランド(以下、PB)のブランディングや、マツキヨのPB「matsukiyo」の立ち上げなどを行ってきたブランドテーラー代表取締役の乙幡氏が、様々な企業のブランド担当者を訪ね、成功の秘訣や戦略を深掘りしていく本連載。第1回は、ロッテの吉見氏に、2023年に40周年を迎えブランドリニューアルを実施した「チョコパイ」のブランド戦略を明らかにする。

時代とニーズに合わせて変化し続けてきたチョコパイ

乙幡:ロッテといえば、「雪見だいふく」「コアラのマーチ」をはじめ、ロングセラーブランドを多く保有しています。その中でも今回は、2023年にブランドリニューアルを行ったロングセラーブランド「チョコパイ」の戦略に迫っていきたいと思います。まずは、チョコパイの概要と歴史について教えてください。

株式会社ブランドテーラー 代表取締役 乙幡 満男氏

吉見:2023年で発売から40周年を迎えたチョコパイは、手軽に食べられるケーキとして長年支持されてきました。

 発売当時の1980年代、日本の中でも贅沢思考・高級志向が根付いてきていましたが、まだまだケーキは高級品で、多くの人にとって憧れの存在でした。このような時代にケーキをもっと手軽に自宅で食べられるように、との思いから生まれたのが「チョコパイ」でした。その後、大袋タイプのパーティーパックを発売、多くの人がブランドと接点を持つようになり、「ちょっとご褒美感のある、3時のおやつ」としてのポジションを確立していきました。

株式会社ロッテ マーケティング本部 ブランド戦略部 チョコパイブランド課 主査 吉見 尚子氏

吉見:2000年代に入ってからは、喫食シーンの拡張を狙って新たにふたくちサイズのプチチョコパイを販売。これにより、「仕事中」や「本を読みながら」など他のことをしながらでも手軽に楽しめるおやつとして、20代~30代の女性を中心に支持を集めました。

 2010年代に入ってからはコンビニスイーツの流行、お客様の嗜好の変化を捉え、「ケーキらしさ」や「スイーツらしさ」をより前面に出すブランドリニューアルを実施。加えて、スイーツの名店とのコラボレーションも展開したことで、専門店の味を手軽に味わえ、多くのお客様との接点が作れました。

乙幡:新たなニーズを見極め、喫食シーンを提案することで、ブランドのライン拡張(ラインエクステンション)を実現したわけですね。

ロングセラー商品に求められる「商品価値の見直し」

乙幡:順調にブランド価値を築き上げてきたチョコパイが2023年にリニューアルを行った理由を教えてください。

吉見:前提として、このリニューアルプロジェクトは、2021年ごろから始動したものです。このタイミングにリニューアルを行ったのには二つの考えがありました。

 一つ目は、40周年という節目を迎えるにあたり、チョコパイチームで今後もお客様から長く愛していただくためにお客様が求めていること、チョコパイとしてお客様に対して提供する価値を再考しました

 二つ目が、新型コロナウイルスの流行によるニーズの変化です。当時、お客様からは「親しみやすさ」「安心感」が強く求められていました。とはいえ、同じことを続けていてはお客様から飽きられてしまいます。そこで、「安心感」を大切にしつつ、新たにチョコパイらしい「驚き」や「わくわく感」を提供できないか試行錯誤しました。

乙幡:「何も行動を起こさなければ社会の変化に取り残されてしまう」という危機感があったのですね。リニューアルプロジェクトとしては具体的に何を行ったんですか?

吉見:まず、研究所やマーケティング部門のスタッフを集め、合宿でのブランドミーティングを開催しました。そこで、チョコパイがどういう存在であるべきか、どうすればその理想を実現できるのかを深く掘り下げて見つめ直したんです。その結果、「常に新たな挑戦をして進化を続けているブランドである」という点に気づきました。

 そこで、今回のリニューアルでは、このアイデンティティを形にしていきました。具体例としては「プレミアムシリーズ」の提案などが挙げられます。このプレミアムシリーズは、お客様に対して行った事前調査や発売後のSNS上でも「見たことがない」「新鮮」「驚きやわくわく感がある」といった反応が得られました。

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この記事の著者

乙幡 満男(オトハタ ミツオ)

株式会社ブランドテーラー代表取締役  大学卒業後、メーカーにて商品開発を担当。数多くのヒット商品を世に出し、特許も取得。米国クレアモント大学院大学ドラッカースクール卒業(MBA)ののち、米系コンサルティング会社で、イオンのPBのブランディングに従事。2014年マツモトキヨシに入社。同社のP...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/22 08:30 https://markezine.jp/article/detail/45440

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