組織に根付いたカルチャーは、企業の無形資産・競争優位となる
田中:恐らく、山形さんは「ブランド資産の重要性」を社内で何度も繰り返し説かれているのでしょう。私もそうですが、人間は聞いてもすぐに忘れる存在ですから(笑)。ブランドの重要性は、耳にタコができるくらい、とにかく言い続けることが重要だと感じています。
思えば、アメックスやユニリーバ、マクドナルドなど「ブランド」が強い企業には、その重要性や理念を常に発信しているカリスマのような人が必ずいました。山形さんは「顧客志向」「ブランド」のカルチャーを組織に根付かせている最中なのだろうと、お話を聞いていて思いました。
山形:そうですね。私もそうでしたが、若い時はみんな一番身近にいる上司を見て仕事をします。書類やマニュアルに書かれてあることより、周りの人の振る舞い方を見て、学び、自分も同じように振る舞うようになっていくわけです。私は、これこそが企業のDNAになるのだと考えています。

組織に根付かせたカルチャーは、企業のDNAとなり、無形資産となり、さらにはどの企業にも模倣できない競争優位性に繋がっていきます。先生のおっしゃる通り、ブランドやマーケティングの重要性を説き続けられる人材も企業の重要な資産です。そのような人材をどれだけ社内に増やしていけるかも、CMOの有無で変わってくるだろうと思います。
田中:長時間にわたって、大変貴重なお話をありがとうございました。様々な示唆のあるお話でした。キリンさんの今後の展開を楽しみにしています!