日本マーケティング協会は「第17回 日本マーケティング大賞」の受賞企業を発表した。
推薦プロジェクト総数96件の中から、グランプリにアサヒビールの「世界初・本物のレモンスライス入りチューハイ『未来のレモンサワー』の挑戦」が選出された。準グランプリ1件、奨励賞5件、地域賞3件も選定。表彰式は2025年6月12日に品川プリンスホテルで開催予定だ。
【グランプリ】世界初・本物のレモンスライス入りチューハイ「未来のレモンサワー」/アサヒビール
アサヒビールは、2024年6月に独自のフルオープン缶を使用した世界初のレモンスライス入りチューハイを発売。開栓すると缶の底からレモンが浮かび上がり、視覚や食感も含めた五感で楽しめる体験価値を提供した。通常のRTDの約2倍の価格にもかかわらず売り切れ店舗が続出する人気となった。

【準グランプリ】座ってイイッスPROJECT/マイナビ
マイナビは、アルバイトの"立ちっぱなし問題"を解決する「マイナビバイトチェア」を開発。調査では座っての接客が許されているアルバイトはわずか23%だが、雇用主の73%が「いいと思っている」と回答。「座って働いても良い」という社会合意形成を促進し、導入企業は200社を超え、半年で1,200脚以上が導入された。
奨励賞(主な受賞内容)
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「職場のロリエ」「学校のロリエ」/花王
生理用ナプキンの備品化プロジェクト。ゼネコン・物流業界など賛同企業は400社に拡大。学校や自治体とも協業し「学校のロリエ」も展開。 -
エレキソルト スプーン/キリンホールディングス
電気の力で減塩食品の塩味やうま味を増強する食器型デバイス。明治大学と共同開発し、健康と味の両立を実現。 -
「彩る美容液」という新提案。資生堂「ファンデ美容液」/資生堂ジャパン
美容液の中にファンデーション成分を閉じ込める「セラムファースト技術」搭載商品をリブランディング。2024年売上高は前年比40%超に成長。 -
「グラングリーン大阪」プロジェクト/グラングリーン大阪開発事業者JV9社
「うめきた2期地区」で約4.5haの「公園」を中心に据えた都市開発。開業半年で1,000万人超の来場者を記録。 -
ツインバード リブランディングプロジェクト/ツインバード
新潟県燕三条の強みを生かし「匠プレミアム」と「感動シンプル」の2ブランドラインを展開。自社オンラインストアは3年連続で前年比150%以上成長。
地域賞
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バルチカ03/JR西日本SC開発、JR西日本大阪開発(関西地区)
大阪駅直結オフィスビル中層階に中高年男性をターゲットにした飲食ゾーン開業。徹底的な市場調査でニーズを分析し、人気店50店舗を誘致、7割が商業施設初出店。 -
ご当地クラフトメンマ「延岡メンマ」/LOCAL BAMBOO(九州地区)
宮崎県延岡市の放置竹林問題を食資源化で解決。年間約26トンの竹林整備を実現し、ANA国際線ファーストクラス機内食採用など成果を上げた。 -
ミルクランド北海道「牛乳飲みてぇ!総選挙」&「牛乳が飲みたくなるあんぱん」/ホクレン農業協同組合連合会(北海道地区)
10万件超の投票から1位となった「あんぱん」と牛乳の組み合わせ商品を木村屋總本店と共同開発。販売店舗での牛乳販売額は前年比109%を達成。
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