ディスプレイ広告で勝ち筋を発見。マイナビの実践フロー
━━Spotify広告を活用したキャンペーンの概要をお聞かせください。
上垣外:マイナビ進学のサービス認知拡大を目的とした「進路に迷う高校生の未来応援キャンペーン」で活用しました。本キャンペーンでは、対象となる高校生に「未来ミツカル診断」や「職業人図鑑」といったオリジナルコンテンツを通じて自己理解と職業理解を深めていただき、自分の未来と向き合うきっかけを提供しました。

松野:事前にまず試験的にディスプレイ広告を配信し、Spotify上でターゲットユーザーへ一定数の有効リーチが取れたことを確認したうえで、音声広告の実施によりリーチを拡大しました。ディスプレイ広告の配信結果を見て、効果が期待できるクリエイティブに絞って音声広告で配信しました。

松野:今回のキャンペーンは3月下旬から4月下旬に配信。新学期に向けて「何かしたいけれど何から始めれば良いかわからない」という高校生のモヤモヤにアプローチしました。
聴取だけでなく多くのクリックを獲得、好意度のリフトも平均の2倍強に
━━この一連の施策を振り返って、Spotify広告による定量的な成果をお聞かせください。
松野:今回は純広告と広告マネージャーの2つの配信方法で実施しました。配信規模の違いはあるものの、特に広告マネージャーのほうがいくつかの指標において優れた成果を示しました。


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伊藤:広告マネージャーは活用いただいた時点ではベータ版の段階だったのですが、今回マイナビ様に快諾いただき試験的に活用いただきました。純広告の成果も、聴取やクリック獲得において平均以上の高い成果だったのですが、さらに広告マネージャーでの配信結果は、純広告と比較してクリック率が約3.3倍に。柔軟な運用型配信、音声広告でも可能なクリック獲得目的配信、CTAカードという有効なフォーマットの組み合わせによる結果だと思います。

クライアントパートナーとして、企業のSpotify広告活用をサポート。提案段階からすべての工程にわたって、一貫した伴走支援を提供している。
伊藤:一方で音声広告の聴取においても、完全聴取率は平均値と変わらず、安定した数字を維持していました。音声広告はクリック獲得だけを主目的とする広告手法ではありませんが、聴取後にクリックしてサイトに誘導できることは重要な指標です。
松野:ブランドリフト調査も併せて実施したところ、広告接触者・非接触者の比較において各項目で明確なリフトを確認できました。具体的には、実施当時の平均的なブランドリフト値に対して、好意度が2倍強、興味関心が4倍程度、利用意向が2倍強とかなり高い成果となりました。
━━定性的な成果についてもお聞かせください。
松野: 社内の反響が想像以上に大きく、別の事業領域を担当するマーケティングチームから問い合わせをいただくなど、他部署からも注目される取り組みになったのは、大きな成果だと感じています。
こうした横の広がりが生まれたことで、メンバー自身も「自分たちの取り組みがしっかり届いている」という実感を持つことができ、サービスをさらに良くしていこうという前向きな循環が生まれました。単なる広告施策にとどまらず、社内全体にポジティブな影響を与えられたのは、思いがけない副産物でした。
上垣外:膨大な予算をかけたCMやプレスリリースを出していない中で、このような反響を得られたことは価値が高いと感じています。
多くのマーケターにとって、認知施策は効果の可視化が困難で予算確保が難しいという課題があると思います。今回は認知を目的として予算を取ってきたわけではなく、広告投資全体の中でベストな配信方法として実施した結果、予想以上の成果を得られました。
社内に対しても、新たな取り組みへの理解を深めてもらうきっかけになったと思います。