音声クリエイティブ制作の不安をワークショップで解消
━━実際に活用してみて感じたSpotify広告ならではの強みを教えてください。
松野:高校生にとって、進学の悩みはセンシティブである一方、静止画1枚のディスプレイ広告では丁寧に伝えられない部分が多いという課題がありますが、Spotifyの音声広告であれば自然な会話ベースで情報を届けることが可能です。
また今回は、先述の通り、Spotifyの静止画(ディスプレイ広告)を先に実施してから音声広告を試すアプローチを取ったことも成果につながったと思います。静止画配信で年齢別にしっかりリーチを取れることを確認し、それぞれの傾向を把握したうえで、音声広告に落とし込みました。これにより効率的に音声広告を制作できました。
━━クリエイティブ制作の際は、Spotifyによるクリエイティブワークショップ「Blend Session」に参加されたそうですね。
松野:ワークショップでは、Spotify様をはじめ、プロの制作陣や声優といった多様なメンバーとともに、ライブ感を持って制作を進めました。その場で出たアイデアをプロの手をお借りしながらリアルタイムで形にしていけたことで、短期間で質の高いクリエイティブを制作できたと思います。また、当日はプロモーション担当だけでなく、別部門のメンバーにも参加してもらったことで、我々のエゴに偏らないクリエイティブに仕上げられて良かったですね。
音声広告は初めての取り組みで何から始めれば良いかわからない不安もありましたが、ワークショップを通じてその不安が解消されました。

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伊藤:私たちSpotifyとしても、初めて音声広告を実施される際などの制作ハードルの高さは認識しています。今回は、通常のクリエイティブに関するサポートを超えて、事前セッションで音声広告のTipsをしっかりとお伝えしたうえで、その場で一気にディスカッションから制作まで完了させるという形式を取りました。
これは当社としても実験的な取り組みでしたが、0に近い状態から様々なインプットを行うことで、その後の広がりや活用可能性を高められると考えました。こうした設計は今後の支援サービス開発にも活かしていければと思います。
音声広告の活用により、戦略に広がりを
━━最後に、今後の展望として、Spotify広告をどのように使っていく予定かお聞かせください。
松野:今回、特に広告マネージャーの成果が良好で相性も良いことが確認できましたし、音声クリエイティブを管理画面上で制作できる機能など、まだ活用できていない機能もあるため、今後も継続して取り組んでいきたいと考えています。
加えて、音声ロゴも制作してみたいですね。音声ロゴがあれば、他の事業領域でも音声広告に取り組みやすくなりますし、ブランドとして統一感のある展開が可能になります。サイロ化しがちな中で、デジタルマーケティング領域を横断できる施策のひとつになり得ると考えています。
上垣外:マイナビという会社全体を考えた際、動画やバナーの広告は各サービスに特化し、それぞれの良さを活かしている一方で、音声メディアには横断的な相乗効果を生み出す強みがあると考えています。グロースマーケティング統括部として全社の成長を最大化するマーケティングを考えるうえで、音声への取り組みや音声ロゴの制作は積極的に推進していきたい領域です。バナーや動画との掛け合わせ施策として音声という選択肢が加わることで、戦略パターンが大幅に広がると思います。

━━Spotifyからマーケターの皆様に向けて、Spotifyをはじめ音声広告を有効に活用するためのアドバイスをお願いいたします。
伊藤:マイナビ様の例では、従来は現在悩んでいる人にどう広告を当てるかという考え方だったものが、電車移動中などの「ながら時間」に訴求できる音声広告の特性を活かし、これから何らかの行動を起こす人に事前に知ってもらうきっかけ作りとして、Spotify広告を活用いただきました。音声広告は認知施策だけというよりも、獲得フローのゴールに向けた入り口の1つとして経路を増やす役割も担っていると考えます。ぜひこのような観点でも、多くの企業様に音声広告をご活用いただけたらと思います。