デロイト トーマツは2025年9月30日、「Jリーグ マネジメントカップ2024」の結果を発表した。このランキングはJリーグ全クラブのビジネスマネジメント力を「マーケティング」「経営効率」「経営戦略」「財務状況」の4分野・12のKPIで評価するもので、今年度で11回目の発表となる。
J1:サンフレッチェ広島が新スタジアム効果で1位
J1ではサンフレッチェ広島が初の1位となった。広島は2024年2月に新スタジアム「エディオンピースウイング広島」が開業し、平均入場者数が約1.7倍、スタジアム集客率は約2.4倍、売上高成長率も91.4%増加するなど大幅な業績向上が認められた。これにより前年14位から大きく順位を上げた。前年1位の浦和レッズは2位となったが、売上高100億円超を2年連続で記録した。

J2:ジェフユナイテッド千葉が僅差で初の1位
J2はジェフユナイテッド千葉が初の首位。マーケティング2位、その他の指標でも全般的に高得点を獲得し、2位と2ポイント差でのトップとなった。千葉は部門横断で集客プロジェクトを行い、平均入場者数が前年比22.4%増、売上高成長率が20.7%増となった。経営体制の変化も業績向上の背景とされる。

J3:ツエーゲン金沢が新スタジアムで初1位
J3ではツエーゲン金沢が1位。2024年2月開業の新スタジアム「金沢ゴーゴーカレースタジアム」が集客の原動力となり、イベントなど多様な施策の結果、平均入場者数が28.6%増、売上高成長率が46.3%増を記録した。

2024年シーズンは全ディビジョンで平均入場者数も増加し、年間総入場者数は前年比14.4%増の12,540,265人、過去最多となった。J1に2クラブが追加されたことによる試合数増加、Jリーグカップの開催方式変更によるJ2・J3クラブと上位ディビジョンとの対戦機会の創出、さらに「THE国立DAY」として国立競技場で13試合を開催し平均入場者数50,320人を記録したことなど、リーグ全体の集客施策が功を奏した。
調査概要
調査対象:Jリーグ所属の全60クラブ(J1・J2・J3)
分析分野:「マーケティング」「経営効率」「経営戦略」「財務状況」
指標:12KPI
期間:2024シーズンの財務・公開情報を基に分析
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