普段と異なるイベント(行動)をキャッチ
ライトタイムマーケティングは、その名前からもうかがえるように、如何に最適なタイミングでメッセージを送るかが従来のダイレクトマーケティングとの大きな違いだ。
現在は、顧客の属性から最適だと思われる情報を送るということは当たり前になっているが、そこに“より最適なタイミング”と“より最適なチャネル”という新たな要素を加えるのである。
「海外では、例えばショッピングサイトでカートに商品を入れたにもかかわらず購買に至らなかった人たちに期間限定クーポンをメールで送り、高い効果を上げた事例があります」(ISID/草野氏)。
ここでポイントとなるのは、買いたいという気持ちが冷めないうちにクーポンを送るという点だ。ショッピングカートに商品を入れたが、最終的に購買ページまで到達しなかったという行動履歴から、その人がいま、何を欲しがっているかがわかる。そのタイミングでクーポンを送れば、消費者の背中を押して購買に踏み切ってもらうことができるという案配だ。
国内でも、金融機関が提携カードを作った顧客に対し、直後に使い方や特典をダイレクトメールで送ったりコールセンターからフォローの案内コールをすることで、提携カードを早く使ってもらうことに成功した事例がある。銀行口座に普段と異なる特別だと思われる入金があった直後にその顧客にアプローチするといったことは、オンライン系金融ですでに進んで取り入れられている手法だ。
このように、Webの閲覧行動や、銀行口座への入金履歴といったデータからいつもと異なるイベント(行動)をキャッチし、アプローチするれば、タイムリーなメッセージ送信が行え、結果的に高い効果を得ることができるのである。これが、ライトタイムマーケティングの基本だ。