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第4回 クーリング・オフ制度の「はてな?」その3

 購入したけれど返品したい、契約締結後に解除したいというケースは、ネットショッピングでもよくあります。そんなときによく聞く言葉が「クーリング・オフ」。消費者もネットショップオーナーも、この制度のことは正しく理解している必要があります。(その1、その2)。

【質問】
お客様からネットショップで購入した商品を返品したいと連絡がありました。この返品の送料はショップ側が負担すべきなのでしょうか?

【回答】

 まず、クーリング・オフ権を行使した場合の対応について説明します。クーリング・オフ権が行使されると、取引は以下のような状態になります。

  • 申込みの撤回の場合…契約未成立のまま解消。
  • 契約成立後の解除の場合…未払代金債務については支払義務が消滅。支払済みの代金および引渡済みの商品は、それぞれ返還(原状回復)する。

 一般に、原状回復義務を履行する場合、本来はそれぞれの義務者がその費用を負担することになるため、商品を返還する際の送料は消費者が負担することになります。しかし、クーリング・オフ制度においては、消費者保護を徹底するために、特例として以下の事項が定められています。

  1. 事業者は消費者に対し、申込みの撤回や解除に伴う損害賠償または違約金の支払いを請求できないこと。
  2. 商品の引取りや権利の返還に要する費用は事業者の負担とすること。 

 事業者が契約において上記1や2と異なる定めをしても、消費者にとって不利となる場合は法律上の効力は生じません。したがって、クーリング・オフ制度にもとづいて契約が解除された場合は、事業者が、商品の返還に要する費用を必ず負担することになります。

ネットショップで買った商品の返品送料は誰が負担する?

 特定商取引法の「通信販売」にはクーリング・オフ権が認められていないため、ネットショッピングはクーリング・オフ権を行使することはできません。返品可能なケースとしては、通信販売広告において返品できない旨を明記していない場合があります(「はてな?」その2参照)。しかし、この場合の返品は、クーリング・オフ制度にもとづく返品ではなく、事業者が契約で認めた返品制度に過ぎません。そのため、クーリング・オフ制度において認められた上記②の特例は適用されません。

 したがって、消費者が事業者に対し、通信販売広告において「返品できない旨」の記載がないことを理由に返品を求める場合は、義務者、すなわち消費者自身が負担することになります。

 しかし、送られてきた商品が品違いである場合やその商品に瑕疵などの欠陥がある場合は、瑕疵担保責任や債務不履行責任を負う事業者が、返品の送料を負担することになります。仮に消費者が送料を支払った場合は、その金額を事業者に対して損害賠償請求することができます。

本稿中、意見にわたる部分は、筆者個人の見解を示すにとどまり、筆者の所属する法律事務所の意見を表明するものではありません。また、具体的事案により本稿中とは異なる結果が生じる場合があります。

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この記事の著者

笹倉 興基(ササクラ コウキ)

弁護士(東京弁護士会所属)。1995年早稲田大学法学部卒業。1999年弁護士登録。黒田法律事務所において、特許権、商標権及び著作権といった知的財産権に関する案件、ベンチャー企業の支援を担当している。また、M&A・事業再生・リストラクチャリングや民事再生などにも注力しており、ビジネス法務の分野において第一線で活躍中。ネットビジネスに関連する法律に精通している。 www.kuroda-law.gr.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/01/17 15:00 https://markezine.jp/article/detail/589

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