サービス満足度1位はau、業界内の差はさらに縮小へ
携帯電話サービスに関する満足度調査は、全国10地域の携帯電話の個人利用者を対象に行われ、7,500人から回答を得ている。顧客満足度の測定にあたっては、総合満足度に対する影響度が高い順に「電話機」「各種費用」「通信品質・エリア」「非音声機能・サービス」「顧客対応力」の5ファクターを設定している。
今回、総合満足度ランキングで1位となったのは「au」で、すべてのファクターで他社を上回る評価を得た。2位の「docomo」と3位の「ソフ ト バンクモバイル」は、「通信品質・エリア」に対する満足度が向上している。同調査では、業界内での満足度水準の差は昨年よりさらに縮小していると指摘し ている。
各社が新しい割引プランの導入や電話機の割賦販売などの新販売方式を開始したことで、一定の契約期間中に解約すると解約金が発生するプランがユーザーに浸透してきた。今回の調査では、そうしたプランへの加入者は47%、未加入者は20%、入っているかどうかわからないという人も33%いた。
特徴的なのは、加入者は未加入者に比べて必ずしも満足度が高いとはいえず、電話機の価格や月々の料金、料金体系のわかりやすさといった評価では未加入者よりもむしろ低くなっている点。また、キャリアを変更しない理由として「解約金が発生するから」という理由をあげる人が昨年の14%から25%へと約10ポイント増加している。
メーカー満足度1位はソニー・エリクソン、若年層に顕著な買い控え傾向
一方、携帯電話メーカー関する満足度調査は、携帯電話サービス顧客満足度調査の回答者7,500人のうち、2007年8月から2008年7月までの1年間に発売された電話機を購入したユーザー1,819人を対象に行われた。顧客満足度の測定にあたっては、総合満足度に対する影響度が高い順に「操作性・機能」「サイズ・デザイン」「メール」「カメラ」「故障・バッテリー」「インターネット」「ワンセグテレビ」の7ファクターを設定している。
総合満足度ランキングで1位となったのは「ソニー・エリクソン」で、同社が1位となったのは、2004年の調査開始以来初めて。ファクター別の満足度を見ると、「操作性・機能」「メール」で最も高い評価を得ている。2位は「富士通」で調査開始以来徐々に順位を上げている。僅差で3位となった「カシオ」はカメラが強みとなっている。
今回の調査で電話機の購入時期についてたずねたところ、全携帯電話利用者の中で半年以内に電話機を購入した人の割合は昨年より減少しており、30代以下の若年層で顕著な機買い控え傾向が認められた。
電話機価格の高騰や各社の割賦販売制度導入によって電話機購入方法は大きな変化をみせたが、半年以内に購入した人の満足度水準は昨年に比べほぼ同水準を保っている。その一方、電話機を購入してから2~3年程度経過しているユーザー、特に若年層や月々の利用料金が低い層において、昨年より満足度がやや低下する傾向が認められた。同調査では、今後電話機の長期保有が進行することで、より多くのユーザーの不満が顕在化することも懸念されると指摘している。
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