女性の6割以上が肯定的
2009年6月から施行される改正薬事法は、薬剤師のほかに医薬品を販売できる新たな「登録販売者」という制度を新設。薬局やドラッグストアなどにおい て薬剤師による販売しか認められていなかった医薬品販売を、コンビニエンスストアなどでも販売できるようにする46年ぶりの大きな制度改革となる。
シード・プランニングは、薬事法の改正による消費者動向の変化と流通の変革について、2008年9月から12月にかけて、20~60代の女性1000名(各年代200名)を対象とした消費者調査と、流通業者に対するインタビュー調査を行った。
女性消費者1000人へのアンケートによると、「登録販売者がいればコンビニやスーパーでも医薬品購入したい」と答えた人の割合は全体の66.2%に達しており、コンビニやスーパーでの購入を肯定的にみる人の割合は半数を大きく上回っている。年代別に見ると、肯定的な見方が最も多かったのは40代で7割を超えている一方、60代では4割が「そう思わない」と回答しており、年代によって若干の差が見られた。
また、「夜間緊急時に医薬品を買いに行く店舗」として女性消費者の85%がコンビニをあげ、「他の買い物のついでに医薬品を買えたら便利な店舗」としては84%がスーパーと回答している。
2012年には「登録販売者」は10万人を超える
薬剤師が対面で販売するOTC(Over The Counter)医薬品の販売制度が変わることにより、薬剤師でなくても登録販売者がいれば販売できる医薬品が登場し、医薬品販売の裾野は大きく広がることになる。競争激化が予想される流通業界では、新たな店舗機能拡大の一環として、医薬品販売の導入を検討しているところも多い。ファミリーマートやサークルKサンクスなどでは、一部店舗で医薬品販売の実験をスタート。OTC医薬品の購入ニーズの検証や、売れ筋商品、販売ピーク時間などの把握、社員の知識と経験の習得を図っている。
一部のOTC医薬品を販売できる資格として「登録販売者」の資格が新たに設けられ、2008年の第1回の資格試験では4万1千人が合格し、登録された。2009年の改正薬事法の施行時には約6万人が登録される見込まれており、今後「登録販売者」は毎年1万人以上が登録され、2012年には10万人を超えるものと予測される。
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