モバイルメール広告の特徴とは
ここで、メール広告と他のネット広告手法の特徴を比較してみよう。例えば、Webサイトに掲載されるバナー広告の場合、視認性が高く多彩な表現が可能となる。その反面、掲載サイトに到達しない限り目に付くことがなく、何よりも「広告臭さ」を嫌うユーザーには不評を買う。そのため、マス広告と同じくプロモーションやブランディングの面からするとメリットはあるが、費用対効果はあまり高くないと言える。費用対効果に優れるリスティング広告もバナー広告と同じく、既存客よりは新規顧客を得るための広告手段。不特定多数を対象としたプロモーション方法として使われるのが一般的だ。
これに対してメール広告は主に、既存客に対してリピートを促す、会員に対してインフォメーションを送るというように、過去に広告主と接触がありメールアドレスを登録している利用者に対してアプローチをかける。既存ユーザーに対するアプローチのためリピーター獲得につながりやすく、メールという個人間で頻繁に使われるコミュニケーションツールにアクセスすることから、視認性もおのずと高まるのが特徴だ。
また、同じメール広告でもPCとモバイルでは性格も異なる。
「どちらも最終的な目標はサイトへの誘導なのですが、PCは容量制限がないことから情報量も詰め込みやすく、読み物的に使われることが多いようです。対してモバイルは端末の特性上、情報量の多いメールは読みにくいため、PCメール以上に誘導性を高める工夫をしているケースが目立ちます。またモバイルは販促以外に、災害情報や治安情報といった緊急性の高い情報を配信するのにも向いています。」
モバイルメールと言えば若年層の利用をイメージしがちだ。しかし、 アイシェアが昨年12月に実施した調査結果によると、「1年間で最も利用した携帯電話の機能は?」という問いに対して、全体では通話が約20%、メールが約55%という回答だったが、40代では約60%がメールを最も使うと回答した。いまやモバイルメールは、若年層特有ではなく、幅広い年代に使われるごく日常的なツールといっていいのだろう。