現代ママの5つのタイプ
博報堂研究開発局と博報堂BaBU(Baby&Family Business)プロジェクトは、10未満の子どもを持つ首都圏のママを対象に行った育児意識の調査および分析結果を発表した。調査は2008年2月に行われたもので、首都30km圏までの子ども(長子)を持つ母親360名からの回答をもとにしている。
まず、子育てママのタイプを「良き母“信仰”ママ」「冬眠マイペースママ」「サークル子育てママ」「家庭内部長ママ」「なりきれずママ」の5つに分類し、タイプ別に消費行動、情報生活の違いを分析している。
回答者全体の平均年齢は32.4歳。各タイプは平均年齢に違いが見られ、「サークル子育てママ」は31.4歳で最も低く、「家庭内部長ママ」は34.5歳と最も高くなっている。また、5つのタイプのうち、「サークル子育てママ」の割合は38.9%で最も多い。
タイプによって異なるお金の使いみち
5つのタイプ別に、その消費行動の違いを見ると、「子どもを持ったことがきっかけで購入したもの」として、一生懸命子育てにがんばるタイ プの「良き母“信仰”ママ」の60.0%が「加湿器」を、45.3%が「空気清浄機」を購入しており、子どもの健康を守るためのこうした機器の購入率は、いずれも全体のパーセンテージを10ポイ ント前後上回っている。
キャリアにつながる仕事をしていたが、現在は休んで気負わず子育てをしている「冬眠マイペースママ」は出産によって大きく消費生活を変えることはないものの、将来へ供える気持ちが働くようで、「自分の仕事・キャリアのための投資」に最もお金をかけており、生命保険(親の保険)への加入率も最も高い。また、多くのママ友を持つ「サークル子育てママ」は親子でおしゃれをして外出を楽しむ人が多く、子どものファッションへの関心が高い傾向にある。
一方、仕事でも家庭でもパワーを発揮する「家庭内部長ママ」が、「子どもを持ったことがきっかけで購入したもの」として「住居(引越しを含む)」「掃除機」「食器洗浄乾燥機」の購入率が高い。また、子育ての楽しい面よりも育児負担を大きく感じてしまう「なりきれずママ」は消費で気分転換をはかっているのか、出産をきっかけとした消費・ブランドスイッチに意欲的。子育てを合理化できる商品等の利用意向が他のタイプよりも高いほか、出産前後で外食やスキンケア・化粧品のブランドに変化が見られる。
ママたちの情報収集にも違い
ママの情報生活についてもそれぞれ傾向に違いが見られ、「良き母“信仰”ママ」は、雑誌で子どもの健康やしつけについて情報を得ており、「冬眠マイペースママ」はブログやSNSへの参加に積極的。「サークル子育てママ」は公園や母親どうしのクチコミで情報を入手しており、「家庭内部長ママ」はテレビのニュース番組や新聞の政治経済面への関心が高い。また、「なりきれずママ」も通販カタログや雑誌に接する率が高く、メールの利用率、BBSへの書き込み経験も高くなっている。
保育園や幼稚園などの待機率が高く、街中の環境も決して子どもを連れた人にやさしいとはいえない現在、共働きかどうかに関わらず、その子育て環境は依然として厳しいのが現実。これらの5つのタイプはその中で悪戦苦闘する女性たちの「これが私の生きる道」を映し出したものといえるのかもしれない。
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