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MarkeZine Day 2026 Autumn(AD)

「見つかる」を「選ばれる」に変えるには?ブランドAIOの戦略設計、購買時AI活用パターン5類型を公開

 ChatGPTに「大広ってどんな会社?」と聞くと、返ってくる答えは概ね正しい。しかし、その説明だけで「大広に頼もう」とはならない——2026年9月に開催された「MarkeZine Day 2026 Autumn」の大広協賛セッションは、こうした気づきから議論が始まった。登壇したのは、大広の原田信宏氏、大広WEDOの鷲北雄介氏、Laboro.AIのAXプロデューサー 菅原耕平氏の3名。本記事では、ブランドの提供価値をAIに正しく理解させる「オントロジー」の実装と、生成AIが介在する購買ジャーニーを踏まえたコミュニケーション設計という、両輪の「ブランドAIO」戦略をレポートする。

AIの回答は「正しい」。でも選ぶ決め手にはならない

 大広は、大阪で創業し大阪・東京の両拠点で活動する総合広告会社だ。ダイレクトマーケティングの実践を強みとし、広告を出稿して終わりにするのではなく、顧客獲得からブランド育成・顧客育成までを一貫して支援し、選ばれ続けるブランドを育てることに力を入れてきた。

 セッションの冒頭、原田氏はこの大広の特徴を、生成AIがどう説明するかを実演した。ChatGPTに「大広ってどんな会社?」と尋ねると、「博報堂DYグループに属する総合広告会社」「マーケティングやブランドづくりを幅広く支援」「顧客との関係や顧客価値を重視」「大阪に本社」といった説明が返ってくる。事実としては、大きく誤ってはいない。しかし、原田氏はここに一つの壁があると言う。

 「回答の内容自体は、そんなに間違っていません。ただ、クライアントが何か課題を抱えて広告会社を探しているときに、この特徴の羅列だけでは『じゃあ大広に頼もう』という決め手にならないでしょう」(大広・原田信宏氏)

株式会社 大広 データドリブンプランニング局 チーフディレクター/株式会社大広 WEDO アカウントプランニング局 AIコンサルタント 原田 信宏氏
株式会社 大広 データドリブンプランニング局 チーフディレクター
株式会社大広 WEDO アカウントプランニング局 AIコンサルタント 原田 信宏氏

 約40年間磨いてきたダイレクトマーケティングの実践知や、顧客価値を軸にした関係育成という強みは、AIの回答の中にはなかった。情報として「正しい」ことと、差別化の理由として「選ばれる」ことは別であるというのが、原田氏の指摘だ。「AIO(AI Optimization)」を考える上で、これは避けて通れない課題となっている。

SEO型AIOと、ブランドAIO:「回答に出る」と「らしく語られる」は違う

 昨今、多くの企業が関心を寄せるAIOについて、原田氏は二つの側面があると整理する。一つは、AIの回答に出る・引用される・情報源として参照されるための「SEO型AIO」。もう一つが、AIの回答の中で「ブランドらしく」語られ、選ばれる理由を提示するための「ブランドAIO」だ。「SEO型AIOは、ブランドAIOの入口」と原田氏は話す。

 さらに原田氏は、ブランドAIOの中にも二つの設計軸があると説明した。一つは、ブランドが伝えたい提供価値をAIに正しく理解させる「ブランドの提供価値AIO」、いわば意味の設計である。もう一つは、AIの登場によってカスタマージャーニー自体が変わりつつある中で、AIを含めた顧客接点をどう再設計するかという「ブランドコミュニケーションAIO」、こちらは体験の設計と言える。以降、この二つを軸に進んでいく。

ブランドは「意味のつながり=文脈」で形成される

 まず提示されたのが、「ブランドの提供価値AIO」の考え方だ。大広は、顧客の本音を引き出す手法や、顧客起点で価値を見つけるターゲティング、顧客との関係を育てる手法など、いくつもの強みを持つ。しかし原田氏は、こうした特徴を“点の”情報として置いておくだけでは、AIに正しく理解させるには不十分だと考えている。

 「特徴と特徴の間の関係性までAIに理解させることで、 AIの回答を変える可能性に繋がる基盤を整えていきます(AI回答の情報源の一つとして)」(大広・原田信宏氏)

 この"意味のつながり"を設計する手法として紹介されたのが、「オントロジー」というアプローチだ。オントロジーの詳細は、大広とともにプロジェクトを推進するLaboro.AIの菅原耕平氏が解説した。菅原氏によれば、AIが情報を参照する方法には大きく二つがある。一つは、言葉や表現を数値化し、意味の近さを捉える「ベクトルRAG」。もう一つが、情報同士を線でつなぎ、関係性を構造化する「オントロジー」だ。

 ベクトル検索では、言葉のニュアンスの近さはわかっても、ある情報がどう別の情報とつながっていくかという関係性や文脈、背景、時系列までは理解しにくい。しかしブランドとは、企業の歴史や背景に基づく“文脈”によって語られるものだ。だからこそ、その文脈をAIにも理解させるための情報の持ち方として、グラフ型の構造化=オントロジーが重要になる、と菅原氏は話す。

株式会社Laboro.AI エージェントトランスフォーメーション部 シニアAXプロデューサー 菅原 耕平氏
株式会社Laboro.AI エージェントトランスフォーメーション部 シニアAXプロデューサー 菅原 耕平氏

デモ:大広のHPを"AIの目"で見てみると?

 菅原氏は、大広の公開情報をもとにオントロジーを生成したデモを披露した。中心に大広を示す黄色いノード(情報そのもの)が置かれ、そこから無数のノードが線(エッジ、情報同士の関係性)でつながっている。

アタリ
中心にある黄色のノードが「大広」を示すもの。大広と関係のある情報が線で繋がっている様子

 デモの中で一つの発見があった。大広の企業理念を示す概念ノードが、大広本体とはつながっているものの、他のどのノードとも線を結んでいなかったのだ。菅原氏は、「企業理念が、大広のどんな取り組みや実績に結びついているのかが、AIからは理解・認識されていないことが見えてくる」と説明する。

 なお、菅原氏によれば、実際のプロジェクトではノードの数が万単位に及ぶケースも珍しくなく、その規模になると人が目視で確認して課題を見つけ出すには限界がある。そのため、オントロジー自体をAIに読み込ませ、ブランドが本来伝えたい内容と照らし合わせながら、どこに課題があるかを分析させるのが、実務における本来の使い方だという。

 ここまでの内容を踏まえ、原田氏は「ブランドの提供価値AIO」の運用を、診断(AIが何を語り、何がつながっていないかを見る)→ 意味設計(価値・根拠・因果をブランドの言葉で整える)→ 改善(情報と接点に実装し、もう一度AIで確かめる)というサイクルで紹介した。一度整えて終わりにするのではなく、学習を続ける運用として回していくことが重要である。

購買時にAIをどう使う?クラスター分析による「5つの類型」

 後半、鷲北氏がもう一つの「ブランドコミュニケーションAIO」について解説した。ここでの出発点は、AIとの向き合い方は商品カテゴリーによって大きく異なる、という着眼だ。「お菓子のことをAIにあまり聞かない一方で、薬や保険のことは割としっかり聞き込む人が多いはずだ」という仮説のもと全国20〜69歳を対象に実施された、20の商品カテゴリーにわたる購買時のAI活用実態調査の結果が紹介された(有効回答4,034件、2026年5月調査)。

 クラスター分析の結果、購買時のAI活用パターンは5つの類型に整理できたという。「AIは、比較検討の前段階から購入後のフォローまで、ジャーニーのあらゆる場面で相談相手になり得る」と鷲北氏は説明する。

AIから人間へ情報をどう繋げるか?初めの一歩は「問いの見極め」

 最後に鷲北氏は、AIと人・ブランド接点の役割を対比させて整理した。情報整理・比較・条件確認・言語化はAIが得意とする領域であり、一方で共感・体験・驚き・納得や決断を促すのは、人やブランド接点が得意とする領域だ。「最終的には人に情報を届け、人の気持ちを動かすという話になる。対AI、対人間の両方の視点で設計していく必要があります」とし、役割分担ではなく、つながり方を設計することの重要性を強調した。

株式会社 大広WEDO アカウントプランニング局 局長 鷲北 雄介氏
株式会社 大広WEDO アカウントプランニング局 局長 鷲北 雄介氏

 その第一歩として提案されたのが、「1つの問い×1つのジャーニー」から始めるスモールスタートだ。問いを決める→届けたい価値を決める→AIの回答を確かめる→意味のつながりを診断する→情報と接点を改善する→もう一度確かめる、という手順を踏みながら、自社ブランドにとって「勝つべき問い」「押さえるべき問い」を見極めていくことが、最初の一手になるという。

 AIの回答に出るかどうかは、あくまで入り口に過ぎない。マーケターに問われているのは、AIとの対話の中に、自社が「選ばれる理由」をどう根付かせ、育てていくかという視点への転換である。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社 大広

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/10/14 11:00 https://markezine.jp/article/detail/77633