委託販売とドロップシッピングの混同に注意
委託販売は、簿記(会計)上では一般的な商品販売とは異なるということから、特殊商品販売と呼ばれるグループに属しています。会計士や税理士資格の受験生の間では「特売(とくばい)」などと呼ばれているので、会計を少しかじった方であれば聞いたことがあるかもしれません。
さて、この委託販売、具体的にはどのようなものなのでしょうか。例を用いて説明しましょう。仮に、「たらば蟹」を商品にもつA社という企業があったとします。A社はこの商品を地方にも拡販したいと考えたのですが、各都道府県に支店を構えるほどの資金はありません。そこで「ウチの商品を売りたい店を探そう」と考えました。
A社は「たらば蟹」を販売したい代理店を募集することにし、広告を出したところ、B社という企業が手を挙げてきました。そこでA社は即座に委託販売契約を結ぶことに決めました。契約後、A社はB社に対して「たらば蟹」を発送し、B社の店舗から販売してもらうことにしました。このおかげで、A社は支店開店の費用をかけることなく地方での商品拡販ができ、成功を収めることができました…。
さて、この一連の説明は委託販売を表したものなのですが、何かお気づきの点はありませんか? 「ドロップシッピングは委託販売です!」とよく言われていますが、前述の説明を読み返していただくと「アレっ?」と思った部分が1カ所あるのではないでしょうか。その部分がどこわかりますか?