パーソナル化に向け着実にバージョンアップするiコンシェル

サービス開始から1年が経過したiコンシェルは、250万のユーザーを獲得。性別では男性6割、女性4割程度で、年代別では20代~30代が7割を占める。
サービスもスケジュール、トルカ、インフォメーション、待ちキャラなど各ジャンル充実しており、iコンシェルからのコンテンツダウンロード数は2009年10月で600万を超える規模になっている。ある占いサイトでは、iコンシェル対応によって入会数が2.2倍に増加。iコンシェルで日常的に利用することで、継続利用につながっているという。
講演ではiコンシェルの2つの新機能も紹介された。一つは、トルカやスケジュールを利用しているユーザーの更新内容にあわせて、インフォメーションを配信するもの。スケジュールとインフォメーションをセットにすることで、サイトへの誘引を図る。
もうひとつの新機能は「オートGPS」。これまで、位置情報は利用者側が適宜通知していたが、新端末では5分間隔で自動的に通知できるようなる。例えば、ターミナル駅周辺にいる人たちに終電の時間を知らせたり、現在地周辺のグルメサイトの店舗情報を通知するようなサービスが可能になる。
ディズニーランドでは、駐車場や入園時、パーク内のエリアごとに適切な情報をメールでプッシュするサービスを開始している。また、ANAとJALは、航空券の購入とスケジュールを連動し、出発前には空港周辺の情報、目的地到着の際には当地の交通、土産、グルメ情報をタイムリーに配信する。
その他、オートGPSを使ったサービスとしては、「帰りに牛乳を買う」など、忘れてはいけないことをメモしておくと、利用者が自宅付近に達した時点でメッセージを送信するようなものも可能になる。グルメサイトで気になった店を登録しておき、後日その店の付近に来たタイミングでその店のインフォメーションを送信することもできるだろう。
今後、iコンシェルでは、スケジュールや電話帳、データ預かりといった個人情報関連のサービスと連携することによって、より利用者の嗜好に合ったコンテンツを提供できるようバージョンアップしていく。iモード全体も、より個人の趣味趣向にマッチさせるため、利用者の地元のスーパーやパン屋など、ニッチなローカル情報を得られるような幅広いラインアップを意識していく予定だ。
利用者へのアプローチのための4つの層
次の10年へ向けたiモードのアプローチの鍵は「iモードポータル」「コンテンツ」「端末」「プラットフォーム」の4層になるという。iモードのポータルで今まで以上のリーチを獲得する工夫をし、端末にはiコンシェルをはじめとする機能を追加。プラットフォームは、今後PCとのシームレスな連携も視野にいれた取り組みを行っていくという。
来場したプロバイダ各社に向けて原田氏は「ターゲットユーザーに向けたコンテンツの誘導、細かい対応、方針を作っていただき、我々は先に挙げた3つの部分をジャンルごとに考えながら、お客様を広げていけるような取り組みをしたいと思っています」と語り、講演を締めくくった。

