ユーザーを追跡~其の二~
(6)「NVelocity」と表示されました。これで、「『Default.asxp』を起点に3ページ閲覧して『1012.asap』で外へ出ていったこのユーザーは、『NVolocity』というキーワードで検索して、自社サイトへやってきた」ということがわかりました。

(7)続いて、右上の「セグメント」から「ソース」をクリックしてみましょう。

(8)「yahoo」と表示されました。これで、「『NVolocity』というキーワードで検索して自社サイトへやってきて、3ページだけ閲覧して出ていったこのユーザーは、検索にYahooを使った」ということがわかりました。

(9)続いて、右上の「セグメント」から「地域」をクリックしてみましょう。

(10)「saitama」と表示されました。これで、「Yahooで『NVolocity』というキーワードで検索して自社サイトへやってきて、3ページだけ閲覧して出ていったこのユーザーは、どうやら埼玉県からアクセスしていた」ということがわかりました。

(11)同様にして「セグメント」から欲しいデータを取得し終わったら、このユーザーの調査は終了です。また(1)に戻り、次のユーザーの調査をしましょう。
個別ユーザーの追跡から得られる有用データ
いかがでしたでしょうか。これが「個別ユーザーの全行動をチェックする」方法です。面倒でしょう(笑)。
先ほどの例で調べてみたユーザーは、わずか3ページしか見ていませんが、中には20~30ページくらい閲覧してから外へ出ていくユーザーもいます。そういったユーザーを一人一人追っていき集計していく作業になるため、冒頭で述べたように、1日のアクセス数が200以上のサイトですと、かなりが手間と時間がかかってしまうことにご注意ください。
なお、集計後のデータ解析作業は、MS-AccessやFilemakerなど、データベース管理ソフトを使うことを強くオススメします。ただでさえ集計に時間がかかる分析方法なので、その後の作業はどんどん効率化しましょう!
さてこの作業、1ヶ月ほど続けてみると、どんなサイトでも絶対に一定の傾向が見えてきます。また、今まで単なる数字の羅列としか思えなかったアクセス解析結果の中に「人間がうちのサイトを見にきて、何かをして、そして出ていった」という生々しい動き、足跡を感じることができるはずです。なんだか言っていることが刑事みたいになってしまいましたが、筆者の今までの経験から一例を挙げてみましょう。
・「Yahoo!で×××というキーワードで検索してきたユーザーのほとんどが何か買う(CPC広告でキーワード選定時の重要な資料に)」
・「"最安"というキーワードを含めて検索してくるユーザーは1ページしかみない(多分価格だけチェックして外へ出ているのだろう)」
・「退出率の高さの目立つページがあったので調べてみたら文字化けしていた」
というわけで、アクセス解析ツールで得られたデータを基にして、さらにワンランク進んだ分析をするため、なかなか作業時間を確保するのが難しいかもしれませんが、この作業で得られるデータの役立ち度はハンパではありません。ほぼ確実に、そのサイトの「強み」と「弱み」、「次に何をすべきか」を浮き彫りにすることができます。
さて、今回はここまでです。再度の繰り返しになりますが、アクセス数の少ないサイトであれば、それほどの時間を必要としないため、ぜひ実践してみてください。これをお読みの皆さんの中から「優秀なストーカー(笑)」がたくさん現れることを期待しています!
