自社向けに特化されたアクセス解析が必要な理由
いきなりですが、本連載は今回で最終回です。それはさておき、あなたは『インターネット白書2007』はご覧になりましたか? 同書によると、アクセス解析をしている企業のうち、13%が自作のアクセス解析ツールを使っているとのことでした。この結果には非常に納得できます。
というのは、Google Analyticsの連載をしておきながらこんなことを言うのもなんですが、Google Analyticsに限らず、一般のアクセス解析ツールで得られる解析結果は、いわば誰にでもそこそこ役立つ、「万人ウケ」するデータも多いからです。多くのユーザーに使ってもらうための方策だと思いますが、逆を言えば、マニアックな解析データは得にくいという意味でもあります。
ところが、ビジネスで利用する場合、企業によって必要となるデータは千差万別。と同時に、どの企業も「本当に欲しい、商売に役立つデータ」はマニアックな内容であることがほとんどです。それぞれの企業でサイトを運営する事情も予算も目標も全く異なるわけですから、当たり前の話ですよね。だからこそ、『インターネット白書2007』のデータが示すように、決して少なくない数の企業が、オーダーメイドのアクセス解析ツールを使っている(つまり、一般のアクセス解析ツールに満足できない)のだと思います。
たとえば2007年4月に発表された「なかのひと」というアクセス解析ツールがあります。このツール「どんな組織からアクセスされているか」の集計に特化したという大変ユニークなものです。私が思うに、このデータを「いくら金を出してもいいから欲しかった」と思っていた企業がいたのではないかと思っています。これは予想ですが、おそらく企業が利用するオーダーメイドのアクセス解析ツールは、「なかのひと」のようなユニークな機能が、それぞれの企業向けに特化されて、多数搭載されているのではないかと思います。うらやましい限りですね。ぜひ一度実際の画面を見てみたいものです。
さて前置きが長くなりました。前述の通り、あなたにとってベストなアクセス解析ツールは、究極的にはあなたの会社向けに完全に特化して開発されたものです。ところが、潤沢な予算がある大企業であればともかく、多くの企業の場合、そんな開発費は捻出できないのが実情です。
ではどうすればいいかというと、自分で作ってしまえばいいのです。具体的には、Google AnalyticsでエクスポートしたデータをAccessやExcelなどに取り込み、再加工してしまえばいいのです。
エクスポートしたデータの再加工については本連載の第5回でも少し触れましたが、そのときは例を挙げるにとどまりました。それが心残りだったので、最終回となる今回は、実際にマイクロソフトのAccessを使って再加工ツールを作り、より具体的な例を解説したいと思います。