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一歩先行くSEO/SEM、サーチマーケティング・イノベーション

「加速し続ける電車にいち早く乗った人が勝者になる」 ― 世界トップレベルのWeb Analystが語るオンラインマーケティングの真髄


 この連載では、欧米での先進的なサーチマーケティングの取り組み方や考え方を紹介していきます。今回は、2月にロンドンで開催されるサーチエンジンストラテジーズカンファレンスで基調講演を行う世界的なWeb Analystで、GoogleのAnalyticsエバンジェリストをも務めるフリーコンサルタントAvinash Kaushik氏にインタビューをしました。【バックナンバー】

ウェブでのビジネスをきちんと理解できている人はまだ少ない

── こんにちは、今日はインタビューに応じていただき、ありがとうございます。早速ですが、解析ツールを導入・利用する上でよく見られる問題やミスがあれば教えてください。

 これまでにいろいろな企業の解析プロセスに関わってきましたが、私がよく目にするミスは技術系とビジネス系の2つに分かれます。技術系ではトラッキングコードをウェブサイト全体に埋め込んでいないというミスが最もよく見られます。埋め込み忘れた部分があるために、せっかくデータとして捉えた数字がサイトの全体的な状況を把握できる数字ではないという問題です。解析ツールの取扱説明書に沿って設定した場合やツール会社が設定した場合でも、正確に設定されていないことが多く、不完全、または不正確なデータを収集しています。

 ビジネス系では、ただ単にデータを吐き出して「アクセス数」「ページビュー」「サイトの滞在時間」のような非常にシンプルで、ある意味漠然とした表面上のメトリックスに焦点を当て、それ以上深く彫り込んだ考え方をしないというミスをよく目にします。これらのデータは基本的なメトリックスであって、ビジネスの状態を把握したり、ビジネスの改善ポイントを示したりという意味ではそれほど役に立ちません。

 解析ツールでデータを収集してレポートするだけで、ビジネスの目標を念頭にデータが持つ意味を考えないのも問題です。ツールを導入する前に、まずビジネスの目標を明らかにし、その目標を達成するために必要なデータは何かを考えて設定すべきですが、「設定したけど、次は何をどうすれば?」というパターンが結構あります。私は、解析ツールの導入を検討している会社に「ビジネスで行なおうとしている事は何か、目的は何かがはっきりするまで、解析ツールは触らないように」とよくアドバイスします。これがはっきりすれば、どのデータを収集してどう活用するかが見え、ビジネスの焦点を絞る助けになります。

── 同感です。「解析」や「解析ツール」という言葉をよく聞くようになり、「多くの企業が導入しているようだからうちもやっておこう」といった考えで、導入の目的を深く検討しない場合が多いですね。ツールの機能やどんなデータが収集できるのかといった事も、十分に把握していない人も多いのではないでしょうか。

 世界中どこでも共通して見られるのが、解析に対する理解の低さです。ウェブ検索の一般的な理解度からして、まだまだ低いですね。TV・雑誌・店頭でのビジネスと、検索やウェブでのビジネスはまったく違う生き物です。ウェブの特性を理解している人がまだまだ少ないですね。ウェブで得られるデータや活用できる技術を使いこなせる人も少数派です。こういう現場を見て、ウェブ、検索、オンラインマーケティングなどの教育の場が必要だと感じ、ジョン・マーシャルと共にマーケットモーティブという会社を設立しました。私が解析やオンラインマーケティングについて、本やブログを書いているのも同じ考えからです。

── 1~3%といった低いコンバージョン率を受け入れて、それ以上の改善策をあまり取らないケースもよくあるようですが、ウェブやデジタルマーケティングが持っている可能性に対する理解の低さが、ウェブサイトやオンラインビジネスのパフォーマンスに対する期待を下げているということでしょうか?

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この記事の著者

ハント肇子(ハントモトコ)

 1998年にAJPRを設立以来、世界各地の企業に対してインターネットをベースとした日本市場向けマーケティングを指導。日本及びアジア各地の知識を活かしたサーチマーケティング・コンサルティングサービスは、世界的に有名な企業のサーチマーケティング・キャンペーンを成功へと導いている。また、世界各地のカンファレンスで講演し...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/02/12 12:43 https://markezine.jp/article/detail/9555

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