比較するデータの数値に応じ「差分」と「比」を使い分ける
ところで、こちらの記事も今回も「差分」、つまり引き算で比較をしました。比較の方法としては「比」、つまり割り算が使いやすい場合もあります。元の数字が小さい数字の場合は、“比”の方が数字が大きく振れやすいです。
例えば、1と4という数字があった場合、
- 差だと、+3
- 比だと、+300%
となります。逆に元の数字が大きいと、“比”の値は小さくなりがちです。10001と10004の場合、
- 差だと、+3
- 比だと、+0.03%
となります。今回の例の20代の場合をグラフにすると、以下のようになります。
差と比は全体傾向は変わらないものの、広告6、19、15が“比”と“差”とにずれがあるのが分かります。比も差もどちらが正解ということでもないので、両方やってみて感覚的に近い方を採用すればよいでしょう。
まったくモノサシが違うものを比較できるようにする“標準化”という統計手法もあります。“偏差値”と言った方が聞き慣れているでしょうか。この方法についてはまた次の機会に解説します。
これまで、2回にわけてクロス集計の後の処理と数字の読み方を紹介しました。クロス集計は分析の基本である“分ける”ことの最も代表的なやり方です。
分析初心者の方にとっては、クロス集計(ピボット集計)もそれなりのハードルがあるとは思いますが、どう扱って、どんな分析ができるのかを理解することで、クロス集計が苦になくなるのではないかと思います。ぜひ、周りの数字をいろいろ分けてみてください。いつもとは違ったものが見えてくると思います。
