ROIを用いるときの3つの注意事項
ご存知のようにROIは、「いくらお金を出したら、いくら儲けとして返ってきたか」ということを表わす指標です。概念的にはとてもわかりやすいものですが、実際に使うには以下の3つの注意が必要です。
- 定義をきちんとする
- 経営ゴールには絶対になり得ない
- 課題発見のための“ツール”である
定義をきちんとする。
会計用語で用いられる「ROI」は明確な定義がありますが、広告/マーケティングでよく用いられる、「ROI(またはマーケティングROI)」の定義は、時と場合によってさまざまです。
SPの担当者ならば、POPやクーポン、おまけなどに関わるコスト対該当店舗の売上になるでしょうし、広告担当なら広告費対該当キャンペーンでの売上、これらの上層の方ならコーポレートコミュニケーション以外の他のマーケティング費用も含めた全体のコスト対ブランドの売上になるでしょう。
さらにはマーケティング担当役員の方ならば、コーポレートコミュニケーションまでを含めた全社的なコミュニケーション費用対該当期の売上などになるでしょう。「ROIを上げましょう!」はとても聞こえのよい言葉ですが、そもそも現状のROIが定義され、数値として計算できていなければ、上がったのか下がったのかさえも分からず、曖昧なまま終わるでしょう。
時と場合によって変わってしまうという点を念頭に置いた上で、“仮”だったとしても、まずは定義してみることが非常に重要です。定義しようとしてみることで、計算に必要な数字が見えてきたり、これまでの意外な盲点が見える事もあります。
キャンペーン途中から計算してみようとしても無理な事が多々あるので、トラッキング計画をキャンペーンの実施計画に含めて考える事が、これからさらに重要になるでしょう。
ただ、無理をしても複雑になるだけです。まずはわかりやすいところから始めて、徐々に要素を増やしていくことをお勧めします。