FatWire株式会社(以下、FatWire)は、コンテンツ・マネジメント・システム「Content Server」の開発元である、米FatWire Software社の日本法人。日本法人の設立は2003年となり、コンテンツ・マネジメント・システムを提供する企業としては、老舗企業にあたる。今回のセミナーは「多言語に対応したグローバルなWebサイトの構築、管理、運用」をテーマとし、多言語対応を前提としたWebサイトを実現するための方法が紹介された。
セミナー冒頭、FatWire 営業部 ディレクター 佐藤高生氏からは、FatWire Web CMSのこれまでの歩みと、多言語に対応したグローバルなWebを実現するための課題についてが語られた。
グローバルなWeb構築の大前提として「ただ単に、言語を変えればよいというものではありません。どの国のどの検索エンジンからユーザーが訪れても『何をしている会社・サイトなのか』が一発で分からないと、グローバルなWebとは言えないでしょう」と佐藤氏は指摘。管理・運用面においても「構造をコピーするだけでは、いずれ管理上支障をきたすことは明白です」と述べた。
また、グローバルWebを実現する中で登場する課題は次の点だとした。
- 地域により販売する物が違う
- 地域による表記の違い(通貨、度量衡、法令表記など)
- 地域によるCSSの違い(特にセム語系の対応方法)
- 管理画面の言語が違う
- 地域による翻訳方法・翻訳会社などのワークフローの見直し
- 多言語コンテンツ、多言語サイトの取り込み
これらの課題への解決策として、紹介されたのがマルチリンガル・アセットの活用だ。マルチリンガル・アセットはContents Server 7より実装された機能。多言語のコンテンツをデータベースに格納し、関連付けることが可能となる。
マルチリンガル・アセットの活用事例としては、栄養ドリンク「レッドブル(Red Bull)」のサイトが紹介された。同サイトはマルチリンガル・アセットを活用することで、多言語において統一されたデザインでのWebサイト運営を実現しているという。
「企業内部でデータのシンジケーションを作り、マルチリンガル・アセットを活用することで、統一されたイメージのWebをグローバルに展開することが可能です。海外展開を検討する企業が日本でも増加傾向にあり、日本企業の中でも、こうしたニーズは高まってくるのではないでしょうか」(佐藤氏)
佐藤氏の講演後には、マルチリンガル・アセットの機能を実演するデモも行われた。同機能について詳細な質問も飛び出し、自社サイトのグローバル展開への関心の高さがうかがえた。