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マーケティングメトリックス研究所出張版

時間が取れる年末休暇に意味を考えてみたい業界用語
「上がったバンザイ!下がったガックシ!」で終わらせてはいけない言葉「ROI」


経営ゴールには絶対になり得ない

 「ROI」は量ではなく“効率”の指標です。細かい定義は別ですが、一言で表すならば「1円投下すると、いくらになって戻ってくるか」と表せます。効率を上げたいとは誰しも思う事でしょう。

 しかし、どの企業でも利益を出す事が目的であり、その利益というものは効率ではなく“量”のはずです。“量”を担保した上での“効率改善”ということ点を常に意識しないといけません。

  1. ケース1:原価 100円/売上 300円/利益額 200円 ROI 200%
  2. ケース2:原価 1億円/売上 1.2億円/利益額 2千万円 ROI 20%

 極端な例ですが、ROI“だけ”追いかけるのはナンセンスなのがお分かりになると思います。

課題発見ツール

 ROIは定義さえできれば、効率の指標としてとてもわかりやすい(イメージしやすい)指標です。そのためトラッキング指標としてはとても優秀です。

 トラッキングの結果、上がった/下がったがわかるので、ROI計算時のどの要素(どの材料の原価/どの広告のコスト/どのブランドの売上/どの顧客セグメントの売上など)が影響しているのかを発見することが容易です。そこまでわかれば、それが内的要因なのか? 外的要因なのか? 改善のためのコスト対効果は? などを検討し、改善の優先順位をつけることが可能になります。

 このように、まず森を見てから、どの木が問題なのか、どの葉っぱががんばったのかを発見し、次の改善を立案するためのツールとして有効なものです。

 これも定義があいまいならば、そもそもトラッキングの意味がありませんし、「上がったバンザイ」「下がった、ガックリ」で止まっていても意味がありません。

 きちんと定義ができれば、ちゃんと分析・課題発見ができ、そこから改善案を導くことができます。結果指標ではなく、改善のためのツールだと意識すると“ROI”の見方も変わってくるのではないでしょうか。

 さて、次回は最適化についてです

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この記事の著者

中川 斉(ナカガワ ヒトシ)

1968年生まれ/早稲田大学卒。

コンサルティングファーム・広告会社にて、統計解析・データマイニングを軸にしたマーケティングプランニング業務に従事。専門的なデータ分析のスキルと高度なマーケティングの知識・経験の両方をバランスよく持つ稀な存在であり、近年ではマーケティングテクノロジーの開発、利用啓蒙にも一...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/10/14 11:34 https://markezine.jp/article/detail/12640

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