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スマートフォンのエコシステムが拡大している“今”というタイミングを逃してはいけない
― Googleモバイル広告部門トップTemsamani氏独占インタビュー


モバイル広告を広告主はどのように活用していけばいいのでしょうか?

 Googleが提供しているモバイル広告フォーマットの紹介アプリを使って、具体的なアイデアを示しながら紹介させてください。こちらは日本語版もあり、Androidユーザーであれば誰でもダウンロード利用できるので、ぜひ試してみてください(参考リンク:「Googleモバイル広告」:Android Market)。

 例えば、電話をかけるということに関しては「Click to Call」というフォーマットを利用できます。これは検索連動型広告内に電話番号を表示し、ユーザーはクリックすると直接電話をかけることができる機能です。このフォーマットを採用した広告は、通常の広告と比べると6~8%CTRが高くなるという結果も出ています。

「Click to Call広告」:広告内に電話番号を記載し、そこから直接電話をかけることができる
「Click to Call広告」:広告内に電話番号を記載し、そこから直接電話をかけることができる

 「オファー広告」というフォーマットもあります(現在、米国のみで提供)。例えば、Adidasのお店で買い物がしたいと思って[shop adidas]と検索したとします。すると広告内に『offer』というテキストがでて、クリックするとクーポン(割引やサービス提供など)が表示されます。この内容はAdidas、つまり広告主の方でコントロールできます。ユーザーの観点から言えば、お店に行って割引率がどうのこうのという交渉をするよりも、ずっと簡単に、短時間で買い物をできるというメリットがあります。

「オファー広告」(日本では現在未提供):広告内にクーポンを表示できる
オファー内容は広告主が決めることができ、ユーザーは店頭で画面を見せることでサービスを受けることが可能
「オファー広告」(日本では現在未提供):広告内にクーポンを表示できる。オファー内容は広告主が決めることができ、ユーザーは店頭で画面を見せることでサービスを受けることが可能

 また、「ハワイアンレストランを探している」といったユーザーに対しては「ハイパーローカル」という機能も利用できます。検索すると、今自分がいる場所から、そのお店がどれくらいの距離にあるのかということまで一緒に示される機能です。

「ハイパーローカル」:携帯の位置情報と連動し、実店舗とユーザーの距離を広告内に表示できる
クリックすると現在地からの地図が表示される
「ハイパーローカル」:携帯の位置情報と連動し、実店舗とユーザーの距離を広告内に表示できる。クリックすると現在地からの地図が表示される

 ディスプレイ広告で言えば、アプリを提供している広告主は「Click to Download」という方法でプロモーションをすることができます。アプリケ―ションはモバイルにとって非常に重要な要素です。広告をクリックすると、ユーザーは直接アプリケーションのダウンロードできます。

「Click to Download」:ディスプレイ広告(写真左上部)をクリックすると
アプリケーションのダウンロード確認画面(写真右)に遷移する
「Click to Download」:ディスプレイ広告(写真左上部)をクリックするとアプリケーションのダウンロード確認画面(写真右)に遷移する

 他にも「インタラクティブ動画広告」というフォーマットも用意しています。これはiPhoneやAndroidユーザーがアプリを立ち上げたりバナーをクリックしたりしたタイミングに表示されるものです。VOLVOの例では、動画広告が再生されている間、車体を360度で見る、他の動画を再生する、店舗の場所を調べるといった様々なコンテンツにアクセスできるようになっています。

「インタラクティブ動画広告」:多彩なアクションボタンを組み込むことができる動画広告
バックグラウンドで動画広告が再生されている間、様々な機能・コンテンツを提供できる
「インタラクティブ動画広告」:多彩なアクションボタンを組み込むことができる動画広告。バックグラウンドで動画広告が再生されている間、様々な機能・コンテンツを提供できる

 これらは、先ほど話したようなモバイルならでは特徴を、広告で十分に活用できるという例です。このように賢く広告を作っていくことで、広告主はユーザーに対して素晴らしいサービスを提供することが可能です。

 前述のとおり、スマートフォンの何が優れているかといえば、“ユーザーの抱える問題をその場で解決できる”というところが最大のキーポイントです。クリックで企業に電話をかけてビジネスを始めることができる、レストランまでの距離が分かる、ユーザーが何か購入したいときに広告主側から「この人だったらこういうディスカウントです」とオファーできる。これらは、どれをとってもユーザーが“今”解決したいことを、その場で解決することにつながっていくと思っています。

 いかにインタラクティブ性を高めていくかということも重要です。見ていただいたとおり、これらの広告はすべてインタラクティブにできています。リッチなメディアフォーマットで動画や画像を入れる。あるいはタッチアクションを喚起する。これらは言ってみれば、その場での対話性を高めることにつながります。

 ユーザーは、モバイルならではの機能を今まで以上に使っており、その機能を使いこなして対話型でのモバイル生活を楽しんでいる状況にあると言えます。それは、さまざまなデータや、AppleやAndroidの端末台数が伸びているということでも、十分に感じ取れるでしょう。

現状の問題点

 ただ、今はまだ課題もあります。ユーザーは「とにかくモバイルが大事」「日々の生活の中でモバイルなしでは生きていけない」というところまで来ていますが、広告主がそういった勢いを捕まえるのが遅れているように感じています。実際、大手の広告主で言えば、約79%の広告主がランディングページがモバイルに最適化されていないというのが現状です。

 モバイルやスマートフォンは、製品・レストラン・サービスなどに関する問題をその場で解決してくれるものです。しかし、今の状況では、どうしても入口ページがデスクトップ向けページに飛んでします。とても小さい文字で、ユーザーが指でスワイプやピンチインをして(サイトのコンテンツを)一つ一つ読んでいかなければいけないのが現状です。

 今回、我々が「Think Mobile Japan 2011」というイベントを開いた理由の1つとして、広告主やサイト運営者の方々に、適切なモバイル用ランディングページがあることがいかに大事であるか、もう一度その重要性を喚起したいという気持ちがありました。

 広告主のブランドにとっても、モバイルのランディングページ、あるいはモバイルのアセットはとても大事です。ユーザー側がすごい勢いでスマートフォンを採用している中で、広告主はそれに対応していかなければいけないということを喚起したいと考えています。

次のページ
AdMobの買収によってどのようなシナジーが生まれているのでしょうか?

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2011/06/20 14:56 https://markezine.jp/article/detail/13938

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