ポイント3:テスト設計
そして、次にテスト設計です。リニューアルを行う際には、いろいろな仮説に基づきページ制作を行っています。ただし、すべての仮説が正解なわけではなく必ずそこには検証とアクションが必要なのです。
検証の方法として一般的なのが、ABテストです。通常、サイトに何らかの改善を加えた場合に前後比較で効果検証をするケースが多くなってしまいますが、前後比較の場合、季節変動などの要因が入ってしまい、どうしても正確に効果を測ることができません。
ABテストは同時期のスプリットランとなるため、各施策がKPIに対してどの程度のインパクトがあったのかを正確に知ることができます。そして結果をノウハウとして蓄積し、次の施策へとつなげていくことができるのです。

テストについては、リニューアル直後からテストロードマップに基づき効率的にテストを回し、コンバージョン改善を積み重ねていくことが重要です。テスト設計手法および具体的事例については、後の連載でより詳細にご紹介します。
ポイント4:CRM設計
最後のポイントがCRM(Customer Relationship Management)設計です。
CRM戦略は、リテンション(顧客維持)およびLTV(Life Time Value=顧客生涯価値)を高めるためのものであり、よりきめ細やかな顧客対応を実現するための要素です。リニューアルして集めた顧客に対して、いかにサイトでの満足度を高めるか、いかにしてサイトに再訪してもらうか、をマーケティング施策に落とし込むことで、顧客のLTVを高め、最終的にビジネスの収益向上につながります。

今回は、目標設定と見える化、施策設計、テスト設計、CRM設計という「D3メソッド」を形成するための4つの重要なポイントについて説明しました。
しかし、リニューアル時にこれらを意識するだけでROI改善に直結するほど簡単ではありません。施策の幅は集客からリテンションまで多岐にわたります。
次回以降、それら数ある施策の中から、重要度の高い、集客、テスト設計、CRMといったいくつかの施策にポイントを絞り、リニューアル時に抑えておくべき事をお伝えしつつ、具体的事例もご紹介しながら成功のポイントをお話ししていきたいと思います。