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動画マーケティング活用ガイド(PR)

本格活用を進める企業が続々登場!
動画マーケティングが"流行る"これだけの理由

 この連載では、昨今注目を集める動画を活用したマーケティングの動向や活用状況について解説していく。今回は、動画マーケティングが普及してきた背景について紐解いてみよう。

動画のマーケティング活用が本格的に普及

 昨年から今年にかけ、企業のウェブサイトやEコマースサイトで動画コンテンツの普及が目立ってきた。映画配給会社や放送局といった元来映像を商品として扱う企業ではなく、製造業や消費財メーカーやコマースサイト、情報ポータルサイトで、テキストやイメージに加え、動画による情報提供が積極的になっている。そういう意味で、今年はインターネットマーケティングに動画が採用され、動画マーケティングに注目が集まった動画マーケティング元年と言ってもいいのではないだろうか。

 動画マーケティング活用ガイドと題した本連載では、動画マーケティングの誕生するに至った背景から、具体的な手法と期待される成果、最新動向などを4回にわたりまとめていく。動画マーケティングをこれから始めようと思っている担当者だけでなく、既に動画を使ったマーケティングを行なっている方々も含め、様々な業種・業態のマーケターの参考になれば幸いである。

 今回は、動画マーケティングがなぜ注目を浴びてきているのか、その背景を紐解いていきたい。動画コンテンツが、企業のマーケティング活動において注目を浴びてきた理由は、次の3つにある。

  1. インターネットインフラの高速化・大容量化
  2. 動画視聴環境の整備
  3. 動画視聴の習慣化・大衆化

 これらの状況について、1つずつ解説していこう。

動画マーケティングが普及した3つのポイント

インターネットインフラの高速化・大容量化

 ブロードバンドという言葉を日常的に聞かなくなるほど、高速インターネット回線は普及している。家庭での高速回線の普及は77.9%を超えた。この状況は、イノベーター理論によると既にレイトマジョリティ(フォロアー)層まで普及していることになる。動画の快適な再生には高速インターネット回線が不可欠であり、動画による情報の提供がある程度の「マス」に受け入れられる必要条件である。

動画視聴環境の整備

 動画が視聴される最も一般的なプラグインは、Flash Playerである。あるリサーチによれば、インターネットに流れる動画の75%がFlashで再生されているという。

 Flash Playerはインターネットに接続する98%のPCにインストールされている、史上最も普及しているソフトウェアである。しかし、そのFlash Playerに動画再生機能が搭載されたことで、ユーザーに別途ソフトウェアダウンロード&インストールを強いることなく、動画を提供することができるようになった。

 OSに関係なくブラウザの中で動画が見られるようになったことは、実は革命的なことなのだ。YouTubeやニコニコ動画が、これだけ多くのユーザーを惹きつけるのもFlash Playerによるブラウザ内視聴と、普及率による所が大きい。

Adobe Flash Playerの普及率(出典:「ポストPC」時代におけるFlash Videoの優位性)
Adobe Flash Playerの普及率(出典:「ポストPC」時代におけるFlash Videoの優位性)

動画視聴の習慣化・大衆化

 YouTubeやニコニコ動画(以下、ニコ動)など動画ポータルサイトの出現により、ウェブの中で「動画を見る」という体験が浸透した。動画は特別なコンテンツではなくなり、テキストやイメージによって情報を得るのと同じように、気軽に動画を見ることが当たり前になった。そして、動画による情報のリッチさにユーザーが気づき、YouTubeやニコ動以外のサイトでもむしろ動画を積極的に再生するようになってきた。

 ネット動画ビジネス市場調査2010によれば、87%のユーザーが動画配信サービスを利用し、ネットで動画を視聴している。また、最近1年間で動画の視聴頻度が増したと回答したユーザーが、20代、30代、40代で約50%に達し、動画視聴の存在感が高まっていることが伺える。

 このように、動画が快適に視聴できる回線と動画を再生するソフトウェアが普及したことに加え、ユーザーがインターネットで動画視聴が定常化した、という3つの環境が整っていることが、今までのインターネット動画の歴史にはなかった条件である。

 そして、動画の本格的な普及が始まっていく。

動画が普及するまでの3つのステージ

 今日までの動画の普及は、大きく3つのステージで進んできた。YouTube、ニコ動に代表される動画ポータルの第1世代、放送局や映画などのメディアサイトによる動画配信の第二世代、そして一般企業が動画をマーケティングに利用する第三世代である。

 第一世代では、映像コンテンツの著作権の整備の遅れやビジネスモデルの不備などにより、UGC(User Generated Content:ユーザー・ジェネレイティッド・コンテンツ)と呼ばれるユーザーからの投稿コンテンツの配信が中心となる。

 テレビや映画など著作権に触れる非合法的なコンテンツも混ざっていたが、YouTubeやニコ動などユーザー投稿型の動画を提供するサービスが花開いた。これまで、インターネット上での動画配信はテレビのような高い映像クオリティが出せないため、ユーザーには見られないであろうと思われていた。その仮定を覆し、インターネットでも動画視聴に対するユーザーのニーズがあることを示したのだ。

 インターネットで動画を見たいユーザーがいることを証明した第一世代の後には、著作権で保護されている映像コンテンツを使ったメディアビジネスが始まった。第二世代の始まりである。第二世代では、Hulu、Netflix、Amazon Instant Video(当初はAmazon Video On Demanという名称でリリース)など、テレビや映画館で見られるようなプレミアムコンテンツの配信が行われた。マネタイズの方法としては、広告やコンテンツ課金など様々な方法が試された。

 更に、映像コンテンツを持つメディア企業だけでなく、動画を使って製品の情報や企業のブランディングメッセージを動画で伝えようとする企業が登場する。映像コンテンツの消費チャネルは、テレビやDVDプレーヤに限られていたが、ブラウザでも可能であることを感じたマーケターが、動画コンテンツによる企業のブランディングメッセージや商品情報を提供するようになったのだ。

 まさに、動画マーケティングの始まりである。YouTubeやHuluなどのサイトのおかげで、動画視聴できる(している)ユーザーが、マーケターにとっても魅力的なターゲットとなる時代となったのだ。

ソーシャルメディアとスマートフォンで第四ステージの予感

 第三世代に突入した動画マーケティングは、ソーシャルメディアとスマートフォンの普及によりさらに注目度が高まっている。

 Facebook、Twitterに代表されるソーシャルメディアの登場により、「自分の知り合い」や「自分と趣味・趣向の近い」ユーザーからの情報提供という、検索エンジンとは違う信頼性の高い情報コンテンツを発見する新しいルートが創り上げられた。

 ソーシャルメディアと動画の相性は良く、動画の共有が盛んに行われている。情報密度の濃さと、受け取り側の負担の軽い動画は、口コミしやすいコンテンツとして適しているのではないかと思われる。

 スマートフォンでも動画を見ることが定着しつつある。フィーチャーフォンと呼ばれる、いわゆる「ガラケイ」より高機能でハードウェアのスペックも高く動画再生に適しているスマートフォンでは、ソーシャルメディアを通じた情報の動画を始め、動画コンテンツ消費が盛んに行われている。スマートフォンユーザーも動画を含め、PCサイトと同等の情報がスマートフォンでも閲覧できることが当然と考えられるようになった。

 動画による情報が、テキストやイメージと並び価値の高いものになってきたことを証明するもう一つの現象として、動画によるSEOの効果が上げられる。フォレスターリサーチ社の調査によると、動画がある場合検索結果の最初のページに表示される確立が53倍に上がる、という結果もある。

 テキストとイメージだけで提供されている情報よりも、動画による情報の方がユーザーにとってより理解しやすい情報であると、検索エンジン側が判断する傾向にあるのだろう。サイトへの誘導に検索エンジンが大きな役割を果たしている昨今、この動画によるSEOの効果は無視できない現象だ。

 さて、ここまで、動画がマーケティングに使われるようになってきた背景について振り返ってみた。動画は、テキストやイメージでは伝えきれない密度の濃い情報を伝えることができる、リッチなメディアである。インターネットの高速化、Flash Playerの普及に加え、ユーザーの動画視聴の定着化が進み、動画をマーケティングに活用している企業が増加している。

 次回は、動画マーケティングの様々な手法や利用シーンを目的別に紹介していく予定だ。動画マーケティングに必然性を感じているが、どこから、どうやって始めたらいいのかわからないケースが多いと思われる。そこで、マーケティング活動の様々なライフサイクルで、潜在顧客や既存顧客とのコミュニケーションを実施していく際のヒントにしていただけるような内容を紹介したいと思う(取材協力:ブライトコーブ)

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この記事の著者

動画マーケティング研究会(ドウガマーケティングケンキュウカイ)

日々、動画マーケティングの最新動向や活用状況をウォッチしている研究機関。MarkeZine編集部に常駐。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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