必要な情報さえ把握するのが難しい時代に響くコピーとは?
あまりに欲張ると失敗する。あるいは、手に入れたいなら、代わりに何かをあきらめることだ。なんだか処世訓のようだが……そうじゃない、コピーの話なんだ。私たちは、いま実にメッセージが知覚されにくい世界に生きている。
総務省の発表(関連リンク参照)によると、平成21年度の情報流通量は約7.6ゼタビット。1日当たり、DVD約2.9億枚相当の量だと言う。あまりに大きすぎて、まったく想像がつかない。さらにDVDで換算すると、平成19年度(前年度より約3,700万枚増)、平成20年度(約4,500万枚増)、平成21年度(1,800万枚増)と情報量は年々増加しているとのこと。
先日読んだ本には、スウェーデンの平均的消費者は1日に3,000のCMメッセージを受け取っていると書かれてあった。もうワケがわからん。一方、人間の記憶力はどうだろう。人類の脳の記憶容量が向上したという話は聞こえてこない。あいかわらず、手帳やクラウドといった外部ストレージに頼らないとやっていけない。
もう分かるよね、もはや世の中に流通する重要な情報、自分にとって大事な情報さえもすべてを把握することが困難になってしまった。そんな状況の中で、メッセージを届けるだけでも大変なのに、知覚してもらえるコピーってどう考えればいいのか。
情報迎撃システムをかいくぐるための作戦とは
前回、商品の特徴や機能からメリット、すなわち価値を引き出せと述べた。やっかいなのはこれからだ。<誰に言うか、何を言うか、いかに言うか>とは、コピーを書く際の基本だ。<いかに言うか>は表現についてのことなので、ゆくゆく述べるが、それ以上に重要なのが<誰に言うか、何を言うか>である。
膨大な情報量にうんざりしている、私たちの情報迎撃システムはたいへん優秀だ。広告など宣伝メッセージは基本的に撃ち落とされるし、ステルスマーケティングもなんのその、すぐに発見されて破壊される。さらに、Webもメルマガも基本はチラ見して、関心がないとこれも撃墜する。そのくせ私たちは忘れっぽいし、記憶もあやふやだったりする。
こんな状況なので、あなたの情報にいくら優れた価値があるからといって、何の手も打たずに言えば、スパムと認識されて迎撃されるだけ。それなりの工夫が必要だ。そこで、最初にやるのが<訴求ポイントのセレクション>だ。つまり<何を言うか>を決めること。
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