PDCAサイクルを確実に回すための準備と取り組み
連載最終回は、リスティング広告のPDCAサイクルを確実に回すための準備と取り組みについて、そして主軸となる分析方法について書きたいと思います。
リスティング広告のPDCAサイクルがうまく回らない理由
「PDCAサイクル」は、Web担当者であれば必ずどこかで聞いたことがある便利な言葉です。ただし、PDCAサイクルをうまく回せている現場担当者は非常に稀でもあります。
なぜ、PDCAサイクルを回し続けるのが難しいのでしょうか? それは、ほとんどの場合、“Plan”が徹底的に議論されていないからだと筆者は考えます。
Web業界には、「まずはリリースが最優先、その後微調整を行い、より良いものに仕上げていく」という風潮があります。この考え方をリスティング広告に持ち込んでしまうと、良い結果を生み出すまでに時間がかかりすぎてしまうのです。
ご存じのとおり、リスティング広告はクリック課金です。そのため、リリースを最優先したアカウントでは、無駄なクリックが発生した際にも広告費を払い続けなければいけません。これでは、良い費用対効果を生むことは非常に難しくなってしまいます。
PDCAサイクルを継続的に回すには、徹底的な"Plan"策定を行い、どこで戦い、どこで戦わないのかの明確な戦略立案が非常に重要なのです。
リスティング広告のPDCAサイクルをうまく回すためのPlan(計画)
Planを立てるには目標を定めなければいけません。使用できる予算や目標売上額などから、目標獲得件数・目標獲得単価を定めていきましょう。その目標を達成するためのさまざまな仮説を立てながら、どういった施策が有効的に働くのかを明確にしていきます。
主なPlanの内容
- 目標獲得件数・目標獲得単価・予算の決定
- ターゲットの設定
- 競合他社の分析
- キーワードの調査(検索連動型広告)
- 配信先の選定(ディスプレイネットワーク、インタレストマッチ)
- 入札価格の調査
- 広告文のセールスポイントの見極め
- リンク先URLの選定
- 1日の予算の設定……など
このようにさまざまな工程が挙げられますが、Planの段階では考えられるすべての施策を網羅することが重要です。
リスティング広告のPDCAサイクルをうまく回すためのDo(実施)
Planで立案した計画を、実際のアカウントに落とし込んでいくのがDoの工程です。実際に導入作業を行うと、「こういったキーワードもありかも?」「こういった広告文も有効かも?」そういった発想が浮かんでくることも少なくありません。機械的に導入するのではなく、常にターゲットを想定しながら作業を進めましょう。
※Doは、Planで立てたものをアカウント内に導入していくという工程のみになります。