「LINE」「NAVER」「Livedoor」サービスの枠を超えたマーケティングチーム
NHN Japanはハンゲームを展開するゲーム本部と、「NAVER」「Livedoor」「LINE」となどを展開するウェブサービス事業部の2つに大きく分かれている。
今回お話をうかがった矢嶋氏と金子さんは、Webサービス事業部が展開するサービスを枠にとらわれずに、一括してマーケティングコミュニケーションを横断的に行っている。
マーケティングコミュニケーションチームは役割ごとに、PR、Webマーケティング、マスマーケティングというサブチームに分かれている。金子さんはそのPR部門に所属し、矢嶋氏はマネージャーとして全体を統括している。チームは矢嶋氏を含めて9名で、Webサービス本部のサービス全てを見ている。
「私はPRチームの中で、ユーザーコミュニケ―ションスタッフという肩書です。公式のTwitterアカウントやFacebookページ、ユーザーを招いたイベントを通じて、ユーザーと直接やり取りをしています」(金子さん)
コミュニケーションプランニングをシームレスに
NHN Japanは、マーケティング/PR業務をサービス別ではなく、役割ごとに横ぐしで行う体制をとっている。そのメリットとデメリットをたずねてみた。
「プロモーションの視点からみると、広報は広報だけといった縦割りではなく、俯瞰的な視野を持てる。それによって、全体のコミュニケーションプランニングがシームレスにできる。ここが他社と大きく違うところ。また、あらゆるサービスを見ることで、蓄積した知見を流用できる」(矢嶋氏)
「たとえば、LINEはテレビCMによってサービスが伸びたイメージを持たれていますが、実際はユーザーと密にコミュニケーションをしながら伸びてきた経緯がある。そのルーツはNAVERにある。NAVERを日本市場で立ち上げる時、GoogleやYahooとどう差別化をしていくかが課題だった。そこで、ユーザーと1対1の関係性を築くことが大事という考え方が出てきた」(矢嶋氏)
TwitterやFacebook、そしてイベントを通じてユーザーから良い意見も悪い意見も、時には厳しい意見をもらう。そして、そのユーザーの要望を自社サービスにフィードバックして、改善するPDCAサイクルを回す。NAVERの事業を通じて積み重ねていた経験が、LINEの成長に活かされている。