投資からマネタイズの段階へ移行
LINEやNAVERまとめ、ライブドアなどのNHN Japanの広告事業全般を手掛けている古賀さんは、旧ライブドアの前身となるオンザエッジに入社。WEB制作の営業担当からキャリアを積み、ライブドア時代にはモバイルの広告事業の立ち上げを経験。2012年1月、NHN Japanとライブドアの経営統合後、現在の業務を手掛けている。
「NHN Japanは、もともとハンゲームというオンラインゲームサービスをやっていました。ハンゲームはユーザー課金のビジネスモデルで得た収益を、NAVERやLINEという新しいサービスに投資しており、NAVERやLINEといったウェブサービス系の事業は、マネタイズをあまり行っていませんでした」
現在、NHNグループは約1000人規模の会社に成長し、旧ライブドアの広告事業グループが現在の広告事業部を約30人で担っている。
「私はもともとライブドアの広告事業部長をやっていました。その流れから現在は広告事業全体を統括しています。今はライブドアやNAVERまとめ、そしてLINEの広告ビジネスのマネタイズを担当しています」
LINEの広告事業立ち上げ
企業のマーケターの方々の注目を集めているLINEの広告ビジネスが本格的に始まったのは2012年6月中旬。コカ・コーラや資生堂、ローソンなどのLINEマーケティングへの取り組事例はすでに数多く知られているが、実は始まってから4か月しか経っていない。
「LINEのサービスの世界観を崩すことなく、クライアントのメッセージをどのように伝えて、色を出していくか。特にLINEに関してはサービスがすごく伸びているので、ユーザーにストレスを与えずに、広告というマネタイズをいかに展開していくかは常に考えています」
LINEの広告は、公式アカウントとスポンサードスタンプの2つが柱だ。日清食品のチキンラーメンひよこちゃんやアメイジングスパイダーマンのスタンプが成功事例としては有名だろう。公式アカウントの事例としてはローソンのからあげくん騒動が記憶に新しい。実際に広告事業部への問い合わせはとても多いそうで、企業や代理店のLINEマーケティングへの関心度の高さがうかがえる。
「クライアントさんから『LINEで何かやりたい』という相談はとても多いですね。LINEの広告は、みなさんがコミュニケーションで使っていただいているスタンプとユーザーが企業とお友達になる公式アカウントの2つです。
公式アカウントではクライアントからユーザーにメッセージを送ることができますが、ローソンさんなどの店舗があるクライアントさんは、来店促進になるクーポンを発行するなど、LINEマーケティングの効果はとてもわかりやすいですよね。
ただ、企業が一方的に伝えたい企業メッセージだけを投げていても、それはユーザーにとってはあまりうれしいことではないので、どういうふうなコミュニケーションの取り方をしたらいいのか。LINEのユーザーのために何ができるかということを企業側で考えていかなければいけません」
公式アカウントを使ったユーザーとのコミュニケーションの取り方などは、代理店の営業を通してフォローアップを随時行っているそうだ。