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厚生労働省が「ネットカフェ難民」の実態調査を発表、業界団体は「お客様を難民と呼ばないで」と声明

2007/08/29 00:00

 厚生労働省が8月28日に発表した「日雇い派遣労働者の実態に関する調査及び住居喪失不安定就労者の実態に関する調査の概要」は、一定の住居を持たずにインターネットカフェや漫画喫茶などの店舗で寝泊まりしながら不安定就労に従事する「住居喪失不安定就労者」いわゆる「ネットカフェ難民」などの実態を、店舗利用者に対する調査を通じて明らかにするもので、全国の24時間営業のインターネットカフェ・漫画喫茶等全店舗(3,246店舗)の店長・店員、および抽出された146店舗のオールナイト利用者(回収調査サンプル数87店舗・1,664人)に対して行われた。

 ネットカフェ・マンガ喫茶などをオールナイトで利用する人の利用動機のうち、最も多かったのは「パソコン・ゲーム・漫画等をオールナイトで利用するため」(52.8%)で、遊びや仕事で遅くなり、帰るのがおっくうなどの理由が続き、7番目に「現在「住居」がなく、寝泊まりするために利用」(7.8%)となっている。また、仕事をしているオールナイト利用者の就業形態をみると、「正社員等」が過半数(56.0%)を占め、「非正規労働者」は約1/3( 32.2%)であり、そのうち「短期派遣労働者」は6.1%となっている。

 また、1日の利用者数ベースによる住居喪失不安定就労者等の数をみると、ネットカフェ等をオールナイトで利用する「住居喪失者」は1日あたり全国で約4,700人、うち「住居喪失非正規労働者」は約2,200人、「住居喪失短期労働者」は約1,500人となっている。厚生労働省は、調査日にはネットカフェ等を利用せずに調査の対象外となっていた者もいた可能性があるとして、オールナイト利用の頻度のデータを用いて「常連的利用者」の存在数ベースの住居喪失不安定就労者等の推計値も算出しており、ネットカフェ等を週の半分(3~ 4日程度)以上オールナイト利用する「常連的利用者」である「住居喪失者」は、全国で約5,400人。また、「住居喪失短期労働者」は約1,700人としている。

 また、住居喪失不安定就労者等の性別・年齢別構成を見ると、全オールナイト利用者のうち、男性が77.9%で、「住居喪失者」に占める男性の割合は82.2%とややその構成比が高くなっている。また、「全オールナイト利用者」は20歳代が約半数を占めるが、「住居喪失者」「住居喪失非正規労働者」のいずれでも、20歳代と50歳代に2つの山がみられる。

 こうした「ネットカフェ難民」と呼ばれる人たちの報道が増えるなか、全国のインターネットカフェやまんが喫茶を代表する唯一の業界団体である「日本複合カフェ協会」は、厚生労働省の調査実施期間中の7月17日に声明を発表。24時間営業の複合カフェには、終電を逃したサラリーマンの方や連日の残業で自宅に帰る時間のない公務員、深夜までの飲食業で働く人など様々な立場の人たちがいること、また複合カフェにとってはその人たちは大事なお客様であり「難民」とは考えていないこと、またそのような呼び方は絶対にしないことを発表。「私たちのお客様を「ネットカフェ難民」と呼ぶのはお止め下さい」と呼びかけている。厚生労働省の調査は6月上旬から7月下旬にかけて行われており、調査対象となったネットカフェ・漫画喫茶の店舗関係者側が「ネットカフェ難民」というセンセーショナルな呼称に不快感を表したものと見られる。

「日雇い派遣労働者の実態に関する調査及び住居喪失不安定就労者の実態に関する調査の概要」
「いわゆる「ネットカフェ難民」について 」(日本複合カフェ協会・トップページ、7月17日付け)

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