ターゲットは罪悪感を抱くビジネス・トラベラー
Best Western Hotelの今回のキャンペーンは、どのようなユーザーインサイトから企画されたのでしょうか? それは「多くのビジネス・トラベラーは出張に伴う罪悪感を感じている」という事実でした。つまり「自分の家族の大切な瞬間に、自分の出張によってそばにいてあげることができない」というものです。
ここから、出張に伴う罪悪感を解消するようなメッセージをFacebook上で展開しようというフレームが導きだされました。キーワードは「出張しているあなたは、あなたの家族にとってヒーローである」。それが「BE A TRAVEL HERO」 キャンペーンです。
キャンペーンのハブはFacebookページ
このインサイトをもとにしたキャンペーンとしてBest Western Hotel は、自社のFacebookページのファンであると同時にBest Western Hotelのポイント会員組織に入った人が応募可能なFacebook上のバーチャル・ツアー・コンテストを開催。Facebook上で「あなたの夢の休暇プランを作って家族、友達を紹介しよう」というアプリを展開しました。
自分の家族や友達を自分のたてた夢のプランに招待し、その招待をアクセプトした人の数が増えれば増えるほど、その人がプライズ(賞)を獲得する確率が上がります。プライズはホテル宿泊券や航空チケットなどです。
Facebookページの運用と一緒に、 スポンサー記事などを中心にさまざまな広告手段も同時に活用して、「出張する人は家族にとってのヒーローである」というメッセージを発信。伝播しやすい企画に、さらに広告をうまく掛け合わせることで、大規模なクチコミを展開することに成功しました。
売上20%増、ファン数が167%成長
キャンペーンの結果、最終の具体的な数字として、2011年と比べて2012年の売上は約20%増となりました。同時にBest Western Hotelのポイント会員が大幅に増加。さらに、Facebookページ上のエンゲージメント率、つまり投稿へのユーザーからの反応が、キャンペーン実施前と比較して約12倍という非常に高い反応率となりました。そして、Best Western Hotelブランドに対するポジティブなイメージを醸成するという当初の目的も達成することができました。
特筆すべき点は、これが2011年の春と比較して2012年の春に追加した唯一のキャンペーン施策だということです。2011年と2012年の春の売上を比較して得られた「売上20%増」などの成果は、もちろん他にもいくつか要因はあるであろうものの、 Facebookが寄与したと見ることができるでしょう。
広告主からは「これまでの春のキャンペーンの中でもっとも成功した」という高い評価を受けました。Facebookページのファンの数は、2か月のキャンペーン期間中に167%成長し、25万6000人増加しました。Best Western Hotel はページを通じて8800万人の 友だちの友だちにリーチすることが可能になったのです。
Facebook Studioのブログからは、英語音声にはなりますがこのBest Western Hotelのケーススタディのビデオもご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。
