日経BPコンサルティングは2012年10月に実施した「Webブランド調査2012―秋冬」の結果を発表した。これは企業や団体が運営する日本の主要500のWebサイトを対象に、「アクセス頻度」「サイト・ユーザビリティ」「コンバージョン」「サイト・ロイヤルティ」「態度変容」「波及効果」の6つの要素をインターネットユーザーが評価したもの。
総合ランキング首位は楽天市場~要因はコンバージョン指数上昇
Webサイトの支持・満足度からサイトとしてのブランド力を評価する「Webブランド指数ランキング」1位は「楽天市場」だった。2010年の7月に実施した調査以来、2年ぶりに首位。2位は「Amazon.co.jp」、3位は「Yahoo! JAPAN」。
今回首位となった「楽天市場」は、前回からスコアの上昇が続く。今回は特にWebサイト内で実際に行われた行動を測る指標であるコンバージョン指数が上昇した。メールマガジンへの登録・会員ページの利用増によるところが大きい。
前回首位の「Yahoo! JAPAN」は、前々回(2011年10月実施)からスコアの下降が続いている。Webサイトへの訪問頻度を示すアクセス頻度指数は依然高く、ノミネートした500サイト中1位を堅持しているが、サイト内でのキャンペーン、会員向けページの利用など、楽天市場がポイントを伸ばしたコンバージョン指数の低下により、他の上位サイトに追い上げられる形となった。
調査結果を男女別に分け、上位サイトの評価をみると、男性では、「電機・電子、精密機器、コンピュータ」業界のサイトが上位にランクイン。一方、女性では「食品、飲料、レシピ、EC」などのサイトが高評価であった。なお、男性にもっとも支持されたサイトは「Amazon.co.jp」、女性は「楽天市場」だった。「Yahoo! JAPAN」は回答者全体および女性の評価が低下したが、男性の評価はむしろ高まっていた。
一般企業トップはサントリー~トップページを改訂し、製品への関心やクチコミを誘発
一般企業(ネット専業除く)に限定して「Webブランド指数ランキング」をみると、1位は前回に続き「サントリー」の企業サイト。今回は特に、製品・サービスへの関心度の高まりや、クチコミの広がりなどが影響し、関連のスコアが上昇した。サイトトップページのリニューアルを施したことで、製品やソーシャルメディア公式アカウントへのリンクがクローズアップされたことも一因と考えられる。
そして2位はANAの「予約・空席照会・運賃案内(国内線)」のサイト。Webサイトに対する利便性や信頼性が評価され、サービスの購入意向も高い水準にある。「ANA」はWebサイトの大きなリニューアルはなかったものの、創立60周年のメッセージや、スマートフォンでのサービス拡充などのトピックスがサイト内で紹介されており、こうした情報提供がサービスに対する利用者の期待を高めたと思われる。
また、トップ50サイト内でもっともスコアを伸ばしたのは、13位の「UNIQLO ユニクロ」。一般企業では4位となった。サイトの利便性や製品・サービスへの関心度、購入意向が向上している。
全体上位サイトにおいては利用者のアクティブ度、一般企業上位サイトにおいては製品・サービスの訴求が高評価につながった。
【調査概要】
調査名称:Webブランド調査
調査時期:2012年10月
調査方法:インターネット調査
調査対象サイト:日本の主要企業・団体・組織600サイト
調査対象者:全国のインターネット・ユーザー(20歳以上の男女)
有効回答者数:30,000人以上(1サイトあたりの平均回答者数は約500人)
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