エンゲージメント率の“中身”を掘り下げる
Facebookページの運用では、「エンゲージメント率」と呼ばれる指標を、目標値の一つとして設定するケースが多々あります。このエンゲージメント率は、ファンとなっている人がどのぐらい反応しているのかを確認する指標で、例えば1万人のファンのうち、1,000の反応(=いいね、コメント、シェアの合計値)があれば、エンゲージメント率は10%と計算されます。
前回連載で、「ファン数によってエンゲージメント率は変わる」というお話をさせて頂きましたが、今回はエンゲージメント率の「中身」を掘り下げてみることで、表面上は同じに見えるエンゲージメント率の「違い」を確認し、「どういった状態」の時に、「どんな施策を行うべきか」を検討しています。
分析に用いたデータ
今回は企業が運営するFacebookページへ投稿された記事に関するデータを用い、分析を行いました。詳細は以下の通りです。
1.投稿の対象期間:2013年2月1日~2013年4月30日
2.対象のFacebookページ:日本語で運営されている企業Facebookページの中から、下記の条件を満たしている代表的なページをピックアップ
・対象期間の投稿に対するいいね数の最大値が6,000以下
・月20コンテンツ以上(対象期間中計60コンテンツ以上)の投稿が行われている
2については、FacebookのAPIで各投稿にいいねを押したユーザーIDを取得できる上限が、約6,000IDとなっています。今回の分析を行う上で、各投稿にいいねをした全てのユーザーIDを取得する必要があるため、この条件を設けました。
分析のアプローチ方法
これまでの分析や運用の経験から、私たちはエンゲージメント率向上のためには、以下2つの要素が重要であるという仮説を持っていました。
1.一人でも多くのファンに反応してもらう=アクティブ率
2.同じファンに何度もいいね!を押してもらう=リピート率
そこで今回は、各Facebookページに対するエンゲージメント率を、この2つの要素に分解して分析を行いました。
これらの要素は以下のように定義しました。
また、各ページのエンゲージメントの高さを計る指標として、前回連載でもご紹介した偏差値を使用しています。