成功への道のりはホップ・ステップ・ジャンプ
―― 「CocoPPa」というアプリが人気と伺い、やって参りました。
ありがとうございます。ユーザーのほとんどは10代~20代女子というニッチなアプリです。ほとんど宣伝はしていないのですが、発売から11か月で1,000万ダウンロードを突破しました。
―― 男子なので使ったことがないのですが…どんなアプリですか。
ユーザーが投稿したアイコンや壁紙を使って、スマートフォンのホーム画面を自由にカスタマイズできるアプリです。全世界150か国以上で利用されており、日々ユーザーがきせかえ素材を投稿しています。またユーザー同士でメッセージもやりとりできるなど、コミュニティ機能にも力を入れています。
―― ほとんど宣伝をしていない、というのがビックリなのですが…そもそもアプリ開発は得意領域だったのですか。
いえいえ。スマホアプリ事業に参入したのは2011年のはじめですから…。
―― 参入して、まだ2年ちょっと!
はい。でもこの2年で、市場もずいぶん変わりましたよ。当時は、いまの市場を支えるソーシャルゲームがありませんでした。フリーランスの開発者で、アプリでお小遣い稼ぎをする人はいましたが、スマホアプリで儲けている企業はいなかったと思います。
―― そんなときに、なぜ参入したのですか。
儲かっている会社はなかったですが、スマホは猛烈な勢いで普及していたので、次の事業の柱にはなるかもな、と思いました。でも大きな投資はできませんから、最初は3人のチームで始めました。
―― スマホアプリって…やっぱ儲からないんですか。
はい、儲かりませんでした(笑)。実は最初にリリースした教育アプリが、ビギナーズラックでヒットしたんです。App Storeで、総合有料5位!つい、「これはすごいことになるかも」と幻想が膨らみましたが、あっという間に打ち砕かれました。
―― なぜですか。
最初の1か月は、たくさんダウンロード頂きました。でも売切り型だったので、2か月目にはすぐに勢いが落ちました。スマホ事業に参入して半年で、「簡単には儲からないんだ」って悟りましたね。
―― 教育系アプリから、突然女子向けアプリに路線変更したのですか。
いや、そうではないです。ホップ、ステップ、ジャンプって感じですね。
―― 3段跳びで。
はい。教育系アプリが「ホップ」。次に「ステップ」として、「売切り型」ではなく「メディア型」アプリを開発しました。そのアプリは、iOS/Android向けの音楽再生アプリ「Discodeer」(ディスコディア)と言います。
お陰さまで好評を頂き、その結果DeNAにアプリを譲渡することになりました。これからは「Groovy」というサービスで展開することになり、弊社は,「Groovy」のアフィリエイトメディア領域をDeNAと共同展開します。ビジネス的に上手くいった好例ですね(参考:プレスリリース)。
―― 順調な「ステップ」を踏まれたわけですね。
次に「ジャンプ」として、女子向けアプリに移行しました。当時、新卒で入った女子社員が「CocoPPa」の原型になるような企画をつくったんです。思い切って彼女たちに任せることで、女子向けのアプリに参入しました。
―― 市場に参入してわずか2年ですが、一足飛びにいまに辿り着いたわけではないのですね。
ホップ、ステップ、ジャンプで徐々に成功体験を大きくし、いまに辿り着いたと思っています。3名ではじめたスマホ事業ですが、いまは兼務も含めて30名程度になりました。