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統括編集長インタビュー

きせかえコミュニティアプリ「CocoPPa」が「自然に」「世界で」1,200万ダウンロードを達成できたワケ

 10代~20代女子が熱をあげるスマートフォン向けきせかえコミュニティアプリ「CocoPPa(ココッパ)」。アンドロイド端末で人気だったきせかえアプリを、技術的に難しいとされるiPhone用に開発。さらにコミュニティ機能を付加することで、リリースから1年かからずに1,000万ダウンロードを突破した(2013年7月26日時点で1,200万ダウンロードを突破)。さらに「海外でのマーケティング費用は一切かけていない」のに、海外ユーザー比率はなんと83%。自然発生的に広がるユーザーネットワークの要因と、今秋に予定する有料化戦略を聞いた。

成功への道のりはホップ・ステップ・ジャンプ

 ―― 「CocoPPa」というアプリが人気と伺い、やって参りました。

 ありがとうございます。ユーザーのほとんどは10代~20代女子というニッチなアプリです。ほとんど宣伝はしていないのですが、発売から11か月で1,000万ダウンロードを突破しました。

CocoPPa」サイト
「CocoPPa」サイト

 ―― 男子なので使ったことがないのですが…どんなアプリですか。

 ユーザーが投稿したアイコンや壁紙を使って、スマートフォンのホーム画面を自由にカスタマイズできるアプリです。全世界150か国以上で利用されており、日々ユーザーがきせかえ素材を投稿しています。またユーザー同士でメッセージもやりとりできるなど、コミュニティ機能にも力を入れています。

 ―― ほとんど宣伝をしていない、というのがビックリなのですが…そもそもアプリ開発は得意領域だったのですか。

 いえいえ。スマホアプリ事業に参入したのは2011年のはじめですから…。

ユナイテッド株式会社 取締役 兼 執行役員/メディアカンパニー 
カンパニー長 手嶋浩己さん
ユナイテッド株式会社 取締役 兼 執行役員/メディアカンパニー カンパニー長 手嶋浩己さん

 ―― 参入して、まだ2年ちょっと!

 はい。でもこの2年で、市場もずいぶん変わりましたよ。当時は、いまの市場を支えるソーシャルゲームがありませんでした。フリーランスの開発者で、アプリでお小遣い稼ぎをする人はいましたが、スマホアプリで儲けている企業はいなかったと思います。

 ―― そんなときに、なぜ参入したのですか。

 儲かっている会社はなかったですが、スマホは猛烈な勢いで普及していたので、次の事業の柱にはなるかもな、と思いました。でも大きな投資はできませんから、最初は3人のチームで始めました。

 ―― スマホアプリって…やっぱ儲からないんですか。

 はい、儲かりませんでした(笑)。実は最初にリリースした教育アプリが、ビギナーズラックでヒットしたんです。App Storeで、総合有料5位!つい、「これはすごいことになるかも」と幻想が膨らみましたが、あっという間に打ち砕かれました。

 ―― なぜですか。

 最初の1か月は、たくさんダウンロード頂きました。でも売切り型だったので、2か月目にはすぐに勢いが落ちました。スマホ事業に参入して半年で、「簡単には儲からないんだ」って悟りましたね。

 ―― 教育系アプリから、突然女子向けアプリに路線変更したのですか。

 いや、そうではないです。ホップ、ステップ、ジャンプって感じですね。

 ―― 3段跳びで。

 はい。教育系アプリが「ホップ」。次に「ステップ」として、「売切り型」ではなく「メディア型」アプリを開発しました。そのアプリは、iOS/Android向けの音楽再生アプリ「Discodeer」(ディスコディア)と言います。

 お陰さまで好評を頂き、その結果DeNAにアプリを譲渡することになりました。これからは「Groovy」というサービスで展開することになり、弊社は,「Groovy」のアフィリエイトメディア領域をDeNAと共同展開します。ビジネス的に上手くいった好例ですね(参考:プレスリリース)。

 ―― 順調な「ステップ」を踏まれたわけですね。

 次に「ジャンプ」として、女子向けアプリに移行しました。当時、新卒で入った女子社員が「CocoPPa」の原型になるような企画をつくったんです。思い切って彼女たちに任せることで、女子向けのアプリに参入しました。

 ―― 市場に参入してわずか2年ですが、一足飛びにいまに辿り着いたわけではないのですね。

 ホップ、ステップ、ジャンプで徐々に成功体験を大きくし、いまに辿り着いたと思っています。3名ではじめたスマホ事業ですが、いまは兼務も含めて30名程度になりました。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター

74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/08/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/18209

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