「C2C」を意識しマネタイズにチャレンジ
―― 有料課金サービスを始めるため、コンテンツパートナーの公募を開始しました。とうとうマネタイズのフェーズに入る、ということですね。
ここしばらくは、マネタイズのための運営基盤を整えていました。翻訳品質を上げたり、サーバーを拡張したり、人員を補強したり。今年のゴールデンウィークまでは、英語での問合せは私が翻訳しているような状態でしたから…。
―― それはお疲れさまです…。マネタイズの方法を教えてください。
コンテンツパートナーのアイコンを販売します。LINEの有料スタンプのようなイメージです。「C2C」という軸を外さず、マネタイズを図ろうと思っています。
―― 「C2C」とは?
LINEのスタンプを買うユーザーは、ショップから好みのスタンプを選んでいるのではなく、友達が使っているスタンプを見て「欲しい」と思い、ショップで探すのだと思います。同じスタンプでも、「欲しい」と思っていたスタンプが100円だったら安いけど、漫然とショップに並んでいるスタンプは100円でも買わないですよね。
―― はい。
つまり、一般ユーザーがカワイイと思い、使いながら広めてくれるモデルでないと、マネタイズは成功しないと思っているんです。アイコンをつくって売るのはB(企業)ですが、現実的にはC(ユーザー)が売っているようなイメージです。
―― なるほど。逆に課題はありますか。
気になるのは、クリエイターのモチベーションです。「CocoPPa」には、良質なアイコンを提供して下さるクリエイターが全世界にいます。報酬をもらわず、自発的にアイコンを提供くださっていました。
―― 有料アイコンが増えることで、彼らのモチベーションが下がらないといいですね。
そうなんです。目指すのは「YouTube」のような世界観です。クリエイターや一般ユーザーが自らの作品を挙げつつ、公式のコンテンツも併存できるといいな、と思います。
―― 定量的な目標はありますか。
2014年3月までに、3,000万ダウンロードを目標にしています。現在の1,000万を超えるダウンロード数は、口コミによって自然に達成してしまいましたが、3,000万ダウンロードを達成するには能動的な仕掛けが必要です。
―― ターゲットを女子以外に拡大するとか!?
いえ、想定ターゲットは絶対に広げません。現在、CocoPPaは10代から20代の女子に利用頂いていますが、彼女たちの「カワイイ」という純粋な気持ちや驚きが、ユーザー増につながりました。これが薄めると、失敗する気がするんです。
―― なるほど。海外市場での目標はありますか。
アメリカで成功したいです。日本のコンシューマー向けインターネットサービスで、アメリカで成功したサービスを私は知りません。幸いにもCocoPPaのユーザーのうち43%はアメリカですから、アメリカ市場でのマーケティングを強化したいです。
―― 具体的な案はありますか。
実は…困っているところです。CocoPPaは自然に全世界に広まったので、意図的な広め方が分からない(笑)。まずはその分野に長けた人材を募集し、アメリカ市場の情報を集めようと思っています。
―― 正念場ですね。
実は私、7月で37歳になったんですよ。この1年は「人生をかけた戦い」だと思って、仕事に集中しようと思っています。とはいえ、浮き足立つのもイヤなので、自然体で頑張りたいですね。
