データを高価値な顧客情報にする3つのポイント
前述の4点を加味してマーケティングを行う際、以下のプロセスを経ることになる。
それぞれについて、どのように行うべきかが語られた。最初のステップ「顧客データの収集統合」について、「実はこのステージが最も重要」だと片桐氏は切り出す。「顧客分析の世界でよく使われる言葉に“Garbage In, Garbage Out”というものがあります。価値の低い顧客データからは、質の悪い分析結果しか得られないという意味です」
そのため、まず高価値のデータを用意するために、属性や行動履歴など幅広い種類の顧客のデータを集めること、データ間の不整合などを修正し顧客ごとに1行のデータにまとめること、常に最新の情報を統合しておくこと、の3点が重要になる。
【高価値な顧客情報を用意する3つのポイント】
1.幅広い顧客関連データを集める(深い顧客情報)
2.データを適切な形式にする(高品質・高付加価値な顧客情報)
3.生データをスピーディに統合する(最新の顧客情報)
特に今、ビッグデータという言葉が広がりつつあるように、得られる顧客データの種類が著しく増えている。属性や購買履歴はもちろん、オンラインの行動履歴、プロモーション施策への反応状況、それから注目すべきは「センチメントデータ」と呼ばれる感情にまつわるデータだ。「SNSに書き込まれたものやコールセンターに寄せられたクレームなども、統合することでより深い顧客理解につながります」と片桐氏。
流通業事例:精度の高い分析を通して休眠顧客を活性化
2つ目のステップは、「顧客分析と行動予測」だ。実際に分析を進めるステージでSASが推奨しているのは、精度の高いセグメンテーション。優良顧客から休眠顧客まで、顧客の状況を把握することでそれぞれの特性が分かり、優良顧客の育成や離反の防止がしやすくなる。
また、行動予測とは、過去の顧客データを分析し抽出した特徴を現在の顧客データに当てはめて、見込み顧客を洗い出すことを指す。例えばある流通業では、優良顧客の分析の結果、「グルメ・料理」に関心がある人の中ではお節料理の購買がリピートのポイントになっており、その人たちは過去に1万円以上を購入している女性が多いことが分かった。
そこで、休眠顧客の中から同じ条件を持つ人だけを抽出し、ピンポイントでお節料理のキャンペーン案内を行ったところ、大いに活性化につながったという。
3つ目のステップで、いよいよキャンペーンを実行していく。ここで考えるべきは「4W・1H」と片桐氏。「Who:誰に、What:何を、When:いつ、Which Channel:どの手段で、そしてHow Often:どのくらいの頻度でアプローチしていくのかが、キャンペーンの設計要素になります。これを、統合した顧客データの分析や、優良顧客の育成戦略などに基づいて導き出します」
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